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とある星の力を使いし者
第57話
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々な知識を持っている。

「まぁな、多少知っているだけだ。」

それだけを言って食事を再開する。
食べ始めて数十分してから食堂全体に声が響き渡る。

「食事の最中にだが連絡があります。」

声はあの寮監のものだった。
麻生は自分の事について説明でもするのだろうと考える。

「ほとんどの者が知っていますと思いますが今日から二週間だけですが、新しい生徒がこの常盤台中学に編入しました。
 麻生恭介さん、立ってください。」

名前を呼ばれた麻生は小さくため息を吐いて、面倒くさそうに立ち上がる。

「彼がその編入生です。
 彼もこの女子寮に住むことになっています。
 女子寮に住む事なんて経験した事のない事なので、彼は色々と分からない所もあると思いますので皆さんしっかり面倒を見てあげてください。
 それでは麻生さん、自己紹介をしてください。」

「麻生恭介です。
 よろしくお願いします。」

それだけ言って、言い終える。
簡単すぎるあいさつに寮監は苦笑いを浮かべる。
話を終えようとしたが一人、生徒が立ち上がり寮監に質問する。

「一つ質問をしてもよろしいですか?」

「何でしょう?」

「私が調べた情報によると彼は低レベルの高校に所属し、さらにはレベル0・・・つまり無能力者という情報を耳にしました。
 これは本当でしょうか?」

その言葉に周りの生徒が騒ぎ始める。
寮監は何も答えない、いや何も答えられないのだ。
常盤台の理事長は極力麻生のレベルの事などに関しては生徒達に話はしてはいけないと言われた。
何故なら麻生のレベルを知った者達が麻生の事を差別する可能性があるからだ。
麻生の学歴などは寮監や理事長は知っている。
お世辞にも成績は良いとは言えない、むしろ悪い方だ。
彼の成績を見て此処の時間割り(カリキュラム)に着いて行けるかどうかさえ不安だ。
寮監が口ごもっていると、予想外の所から声が聞こえた。

「そうだ、俺の所属している高校はほとんど無名に近い学校。
 俺のレベルは0だ。」

麻生本人が答えた。

「レベル0のようなあなたがこの常盤台中学に居ても迷惑なのです。
 恥を晒す前に自分の家に帰ればよろしいのでは?」

その生徒の言葉を聞いて周りもつられて笑い声が上がる。

「失礼な発言はよろしくありませんね。
 この話はこれで終わりです。
 皆さん、食事を再開してください。」

寮監の声で一応騒ぎは鎮まるが誰かが立ち上がる音が聞こえた。
その方に向くと麻生が立ち上がり食堂を出て行くのが見えた。
それを見た他の生徒達はクスクス,と笑いながら麻生について話し合う。
全部の声が聞こえた訳ではないが一言だけ寮監の耳にしっかりと聞こえた。
負け犬、と。

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