暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
横浜基地
仲間
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 既に日も落ち、皆が寝静まった頃に基地内にあるグラウンドから自室の方へ戻る。

 この後はこのままシミュレーター訓練をやるつもりだ。既に香月にも話は通してあるので、誰の目にも触れられずに一人で集中する事が出来るだろう。時が過ぎるまでは外にあるグラウンドで肉体訓練。走りこみから簡単に格闘術の練習をしている。ACに乗るだけが仕事じゃないからな。

「誰も居ないな」

 格納庫に向かうまでの道のり。昼頃なら数人の衛士とすれ違ったりするのだが、流石にこの時間だと誰ともすれ違う事がない。流石に全員が寝ている訳ではないが、通常勤務の軍人は既に就寝している事だろう。

 そしてそのまま誰にも会う事なく、格納庫へと辿り着く。

 香月から既にシミュレーターの使い方は教わっているので、迷う事なくシミュレーターの主電源を居れ、俺の為に用意された強化装備に着替える。見た目は確かに思う所はあるが、強化装備の説明を聞いた所かなり性能がいい事が分かった。

 この前面が透けている事にも確かな理由がある事には正直驚いた。

 …とまぁ話が逸れたが、強化装備に着替え終わったので、そのままシミュレーターに乗り込み、コンソールに設定を打ち込む。

 流石に、いきなりHIVE突入などを行う訳もなく、市街地に現れた数500のBETAを想定して訓練を開始する。

 幸い視界はACと同じ網膜投影なので、其処に違和感を感じる事はあまりなかったが、握りなれない操縦桿には流石に戸惑った。

 シミュレーター訓練が開始と同時に、視界に市街地の風景が映し出されるが、俺はすぐさまその場を離れる事が出来ない。右上のレーダーを確認すれば、既にBETAが此方に向かってきていると言うのに、AMSなしの操作にかなり戸惑っているのだ。

 …いきなりBETA戦は無理がったか?と思うが、既に初めてしまったのだから仕方がない。そう割り切り、焦り始めている気を落ち着かせ、先ずは最初の一歩を踏み出す。

 ACとは操縦が全く異なる戦術機。まさか此処まで苦戦するとは…!

 そう憤りを感じた瞬間、遂に右方向大型ビルの影から数体の突撃級の姿が現れた。BETAの中では突撃級の速度が一番速いため、此方に到達するのは一番早いとは分かっていたが、こうも速いものなのか!

 俺が突撃級が現れた事に驚いている最中に突撃級が待ってくれる訳もなく、そのままの速度で俺の方へと突き進んでくる。このまま当たれば間違いなく大破判定。シミュレーターは終了。幾ら戦術機に乗ったのが初めてと言ってもそれは情けないだろうに!

「くそ!」

 思わず口に出た悪態の言葉と共に、頭で考えるよりも早く足がフットペダルを強く踏み込む。フットペダルが最大に踏み込まれる事により、跳躍ユニットの出力はゼロから一気に最大ま
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ