暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
スーパーロボット大戦OGs
0120話
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隊は破れた。クロガネとヒリュウ改は既にドルム内部へと突入して、インスペクターの部隊と戦いを繰り広げている所だ」
「インスペクターでは奴等に勝てないだろうな」
「それは実際に戦ってきた経験からの言葉かしら?」
「ああ。奴等は強い。謎が多いアインストならともかく、既にインスペクターの手に負える相手じゃない」
「その割には、グロウセイヴァー1機で奴等の部隊と渡り合っていたようだが?」
「その結果が機体の中破だ。幸い予備部品があるから修理はすぐ終わるらしいが……左手のグレイプニルはレモンしか作れないし、予備もないからな」

 俺のその言葉に、レモンが苦笑を浮かべる。

「確かに予備を作っておかなかったのは失敗だったわね。でも、こっちにも事情があるのよ。色々と手を出しすぎたせいで、グレイプニルの予備を作るのまで気が回らなかったわ。それに、まさかアクセルがあそこまで追い詰められるなんて思いもしなかったし」
「ベーオウルフ、か。私達との因縁だな。あちらの世界でも、そしてこちらの世界でも……結局最後に私達の前に立ち塞がるのは奴と言う訳だ」

 苦々しげな表情を浮かべながら、ヴィンデルが呟く。その脳裏には今まで何度となく俺達の前に立ち塞がってきたキョウスケ・ナンブの姿が浮かんでいるのだろう。

「ギャンランドの準備を急がせろ。最悪の事態が起きても、あれは残さねばならん」

 ヴィンデルの命令が作戦司令室に響く。それを聞き、俺は覚悟を決める。

「……ヴィンデル」

 振り返ったヴィンデルがこちらへと視線を向けるが、俺の顔が余程真剣に見えたのだろう。ヴィンデルも真剣な表情に変わる。

「何だ?」

 ……この台詞を言ってしまえば、俺はもうヴィンデルと共に行く事は出来ない。何だかんだ言いつつも、5年近くの付き合いをしてきたヴィンデルを俺自身の都合で切り捨てる事になる。それはあちらの世界でキョウスケがシャトル事故に遭い、アインストに感染された時と同じようにだ。
 それもキョウスケとは学年が違っていた為にたまにしか接触がなかったが、ヴィンデルとは二人三脚でシャドウミラーをここまで動かしてきたのだ。
 ……レモンも入れれば三人四脚と言うべきか。
 そんなヴィンデルを切り捨てる。俺に出来るのか? だが、出来なければ俺は……いや、レモンやエキドナも含めたシャドウミラー全員が死ぬ事になるだろう。原作通りに進むのなら、あるいは俺はアルフィミィのおかげで助かるかもしれない。だが、レモンは確実に死ぬ事になる。
 それを意識した瞬間、不思議と俺の心は決まった。
 女の為に人生を決めるとかどこのドラマの主人公なのやら。内心で思わず苦笑しながらも口を開く。

「ヴィンデル、悪いが俺はこれ以上お前と共に進む事は出来ない」
「……何?」


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