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西部の娘
第二幕その二
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第二幕その二

「駄目だ、聞いて欲しい」
 ジョンソンは食い下がった。
「それは・・・・・・」
 ミニーはそれを断ち切ろうとする。
「受け入れてくれないならそれでいい」
 ジョンソンは言った。
「そうならもう旅立つから」
 そう言って席を立った。そして小屋から出ようとする。
「駄目よ、外は吹雪よ」
 ミニーはそれを止めた。
「しかしもう僕はここにいても仕方がない」
「いえ、そんなことはないわ」
 ミニーは言った。
「何時までもいて欲しい位よ」
 そして本心を言った。
「・・・・・・いいのかい?」
 ジョンソンはその言葉に振り向いた。
「・・・・・・ええ」
 ミニーは顔を少し俯けて答えた。
「・・・・・・良かった」
 ジョンソンはミニーのところへ戻った。そして二人は強く抱き合った。
 そこで銃声がした。二人はハッと顔を上げる。
「聞いたか」
「ええ」
 二人は顔を見合わせた。
 ジョンソンは戸口に顔を近付けた。そして聞き耳を立てる。
 風の音が聞こえる。どうやら吹雪というのは本当らしい。
 その中から人の叫び声もあうる。どうやらこちらに近付いて来ている。
「風の音だけじゃないな」
「えっ!?」
「人の声も聞こえて来る」
「誰かしら?」
 ミニーも扉の前に来た。そして聞き耳を立てる。
「あの声は・・・・・・ソノーラね」
 ミニーは声を確かめながら言った。
「あとは・・・・・・アッシュビーかしら。そして・・・・・・」
 ミニーの顔が暗くなった。
「まずいわね、あの人がいるわ」
「あの人!?」
「ランス。ジャック=ランスよ」
「保安官か」
「そうよ、これはまずいわね」
 ミニーはジョンソンを見て言った。
「どうしてまずいんだい?」
「あの人凄く嫉妬深いのよ。外見に似合わず」
「そうなのか」
 ジョンソンにもそれは思い当たるふしがあった。
「こっちに近付いてるわね。どうやらあたしのことが心配で来てくれたみたい」
 ミニーはジョンソンに顔を戻した。
「まずいわ、隠れて」
「どうしてだい!?」
「言ってるでしょ、あの人嫉妬深いから。貴方がいるなんてわかったら大騒動よ」
「そうか」
 ジョンソンはすぐに寝台のカーテンの陰に隠れた。ミニーはそれを見てホッと胸を撫で下ろした。
「おおいミニー」
 そこへ扉の向こうから声がした。ソノーラの声だ。
「どうしたの?」
 ミニーは何事も無かったかのように声を返した。
「開けてくれないか、ちょっと伝えたいことがあるんだ」
「ええ、いいわよ」
 ミニーはそれに従い扉を開けた。するとソノーラ達が小屋の中に入って来た。
「おお、寒かった」
 身体中雪にまみれている。手で雪を払いながら小屋の中に入る。
「大丈夫!?
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