暁 〜小説投稿サイト〜
くらいくらい電子の森に・・・
第九章
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
間界で、もっとも残念な風習の一つだよ」
ごくり…抱きしめるって、犯罪なんだ!
「取り締まられたら、どうなるんですの?」
「…まず黒い覆面の男達に押さえつけられ、ペンチで指のツメを剥がれ…」
「えぇっ!?」
「自宅から一番近い小学校の朝礼台で、小学生が『似てる』と言ってくれるまで、教頭のモノマネを繰り返すのだ!」
「校長じゃなくて教頭…!なんて過酷な!」
「ば…馬鹿!変なこと教えると、姶良が怒るよ!」
「あははは…ただし、合意の上なら犯罪にならない。俺達は、その合意を取り付けるのに命を懸けるのだ!なあ、柚木ちゃん。…抱きしめていいかい?」
「それが既にセクハラなんじゃないの!?」
「そ、それじゃあ…ご主人さまも抱きしめたくなるんですの?」

「問・題・外だ!」

紺野さんは、きっぱりと言い放った。
「なぜわざわざむさ苦しい男を抱きしめてやらなければいけないのだ。いいかいビアンキちゃん、世界の半分は『女』という、柔らかくていい匂いの生き物が占めてるんだよ」
「…ご主人さま、臭くて硬いですか?」
「ああ、臭くて硬いぞ。あと、水に漬けると体積が2倍に増える」
「ちょっと、ホントに怒られるよ!」
「ところが塩に浸すと浸透圧で若干縮むんだ」
……そうでも、いいんです。もしそうでも。

「そうでも、ご主人さまを抱きしめてみたい…です」


<i386|11255>

もう、二人は聞いてないみたい。紺野さんは『触ったところから糸が出る!』とか『その糸で暴走電車を止められる!』とか色んなことを言い出し始めてた。この人は、たまに変なことを言い出して止まらなくなる。
…もう、私がいなくてもいいみたい。ご主人さまが戻るまで、スリープに入ろう。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ