第八十話
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神を殺せる存在。この国には護堂以外にも居るわよね?そちらの人たちは何て言っているの?」
「お答えする事は出来ませんな。あの人達への干渉は極力控えると言うのが上の方針ですし」
「…そうね」
「それに、幽世に居る神をどうやって倒すと言うのです。あの世界はそう易々と行ける所ではありませんし、理由も無いでしょう」
「そうね。だけど、護堂は気のせいだと思っていたみたいだけど、日光に行った二日目。一瞬だけど途轍もない神力を感じたのよ。直ぐに消えてしまったのだけれど…あれはもしかしたらスサノオ神の物だったのかも知れないわ」
「なるほど。で、あるならば御老公自らが幽世から出てきたと言う事ですか」
「かも知れないと言う事よ。そして、あの時日光にはやはりあの人達が居た」
「なるほど、確かにそう言う可能性もありますな…しかし、これはデリケートな問題になりそうです。あの人達を無闇に刺激するのは愚か者のする事でしょう。なんて言ったってあの人たちにはアテナも付いているのですからね。…いや、頭の痛い問題です」
「そう、…わかったわ。そう言う事にしておきましょう。わたしも藪をつつく趣味は持ち合わせていないのだしね」
「同感ですな」
首脳会議が終わるとエリカは踵を返し護堂の所へと戻り、甘粕は次の目的地へと車を走らせた。
◇
「と言う事なんですが、皆さん何かご存知でしょうか」
定刻どおりユカリの家へと訪れた甘粕は、皆が揃っているリビングでそう切り出した。
「それ、分かってて聞いてますよね」
フェイトが呆れた表情を浮かべて聞き返す。
「失礼しました…では改めて。…速須佐之男命を打倒したのはどなたですか?」
甘粕が問いを変えると皆の視線がアオへと向かった。
「アオさん…でしたか。いやはや、流石にユカリさんのお子さんと言う事でしょうな」
「そう言う事を言えるのも今のうちですよ?」
「はて、それはいったい…」
アオはそれには答えずに話題を戻した。
「確かに速須佐之男命を倒したのは俺ですね。問答無用で襲い掛かってきたので」
「なるほど。分かりました」
「何かマズイ事になってそうですね」
「いやぁ、アオさんの倒された速須佐之男命は日本の呪術関連のトップであられた方ですからな。彼の知恵を当てにしてきた私共としましては深刻な問題なのですよ」
「まつろわぬ神を神として崇めておったのか」
アテナが口を挟む。
「ええ。幽世に隠居されてそのまつろわぬ性から開放されていらしたのですが…」
「俺たちの出会ったあいつはまつろわぬ性を取り戻していましたよ。自分の欲望に忠実と言
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