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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―修学旅行 前編―
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「ああ、お土産期待せずに待っててくれ」

 デュエル・アカデミア生徒専用の携帯電話――PDAをポケットにしまい込み、周囲の港のような風景を一回り見回した。
そこにはせっせと働いている人は大勢いるが、見慣れた赤やら黄色やら青色の制服を着たデュエル・アカデミアの生徒は見当たらない。

 それもその筈、この港は普段のデュエル・アカデミアの港ではなく、今回十代が修学旅行先に選んだ、別名『海馬コーポレーションの城下町』とも言われている町、《童実野町》の港であったからだ。

「待たせたな、電話終わったぞ」

 この港の俺以外のデュエル・アカデミアの生徒である、先程まで船酔いでずっと気分が悪そうに寝ていた三沢に電話が終わったことを告げると、陸上に上がったことでもう気分が良くなったようで、いつも通りの笑みで返してくれた。

「それじゃあ行こうか……レイくんは何だって?」

「自分だけ仲間外れで寂しい、だとさ」

 通常デュエル・アカデミアの修学旅行は二年生のみのイベントであるのだが、今回は光の結社の方から多額の寄付があったおかげで、今年の一年生も俺たち二年生と同じように修学旅行に来ているため、剣山も含めて中等部のレイ以外は修学旅行に来ているこの状況のことを言っているのだろう。

 ちなみに、一応デュエル・アカデミアの一年生であるエドもこちらに来てはいるのだが、来るときも自家用のボートで来ていたため、未だ姿は見ていない。

「それにしても、修学旅行先がただの田舎町っていうのも変だよな」

 この修学旅行の一日目は基本的に自由行動が許されているため、とりあえずデュエルキング・武藤遊戯がデュエルしたという名所でも回っておくことにしたのだが、名所と呼ばれた場所では現地のデュエリストが活発にデュエルを行っているだけで、その伝説のデュエルが追体験出来るわけではないので、正直ただ田舎町を歩いているようにしか感じなかった。

「まあそう言うな。もしかしたら、パワースポットのような場所になっているのかも知れないぞ?」

「デュエルキングがデュエルしただけでパワースポットになるなら、この町はパワースポットじゃない所の方が少ないんじゃないか……?」

 カードの精霊だの闇のデュエルだのに関わるようになってからは、そういうオカルトなことにもわりかし肯定的になってはいるが、流石にデュエルキングがデュエルしただけでパワースポットにはならんだろう……

 そのまま童実野町をぶらぶらと散策し、ついに俺の一番の来たかった場所であるカードショップ――《亀のゲーム屋》へとたどり着いた。
すぐ前にデパートかと見まがうような大きい量販店があるにも関わらず、小さいながらも近所の常連客に愛されているような、そんな印象を持たせたこじんまりとした店である、デュエル
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