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天才少年と電脳少女
天才の脳

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俺は殴りたかった。今にも龍次を殴りそうだった。彼も、その思いを感じ取ったらしかった
「何?慎次ってそんなに短気だっけ?そんな短期じゃそこのバカと一緒だよ〜」
「そんな奴らと一緒にするな。俺は奈菜を助けたいだけだ。お前なんか、正直見てみたかっただけでどうでもいい」
俺はそういって、龍次をにらんだ。すると、龍次はニヤリと笑って「だろうと思った」とつぶやいた
「慎次の考えてることは大体わかる。慎次は、奈菜が大切なんだろ?」
「あぁ」
「なら、助けてみるといい」
その軽い発言に、俺は驚いた。だが、簡単にはいかないことはわかっていた
「力づく、だがな」
「だろうな」
その瞬間。俺たちの戦いは始まった
ボコッ、ドカッバスッ!
殴りあい、蹴りあいの始まりだった。俺たちはとても不思議なことに、頭の良さも一緒だけでなく、身体能力のすごさも、一緒だった
あのダブルフィンガーが吹っ飛んだパンチも、彼は何度でも耐えていた。代わりに俺も、同じくらいの強さのパンチを受けても、何度も耐えていた
まるで、自分の放った攻撃を、そのまま返してもらっているようだった。まさに、鏡のようだ
彼もそう思っているらしく、ニヤニヤと笑っていた。双子とは、不思議なものだ
戦いの最中、俺はいろいろなことを思い返していた
偶然知った、セブンウィルスの存在、そこから始まったこの冒険。ここまでで、俺の心は、一段と成長したはずだ。旅の果てに、死んだはずの彼女にまた出会えた時の喜びは、簡単に味わえる喜びではなかった。そして、もうなくしたくないと誓ったはずの彼女を失った時の悲しみも、また俺の心を強くした
メールで双子の兄、龍次の存在を知ったときは、ショックだった。それにしても、彼はいつ、俺と兄弟だということを知ったのか。それは、俺が勝った時に聞くのもいいかもしれない。いや、聞かないのも正解だな
本当の門があるイギリスに行かなくてはならなくなったときは、驚いた。研究室も、現実とは思えない場所で、彼のすごさを実感した。彼は極悪非道ながらも、やはり脳は素晴らしい脳なのである
だが、極悪非道には変わりない。この通り、奈菜をバックアップデータの保管庫にした。これで俺が手が出せないとでも思ったんだろう。
だが俺は負けない。俺は必ず勝利する。俺に失敗など、これ以上存在してはならない。
ところで、いろはとヘキサゴンどうしたのだろうか。この中心に来てから、姿が見当たらない
「なぁ・・・・」
龍次は急に口を開いた
「なぁ、二人がどこ行ったか・・・・・気になるか?」
龍次は、息も絶え絶え、俺に言った。俺も、少し休むため、その話を聞いた
「あいつらは、奈菜に吸収された!」
「何?!」
それは、いろいろな意味で、俺にとって信じられない驚きだった
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