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天才少年と電脳少女
Gemini

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それからしばらく、特に大きなトラップはなかった。ただ歩き続けるだけだった。現実じゃないその世界を歩いていると、なんだか不思議な気分になる。その不思議な気分は、俺の気がくるってしまったのか、はたまた現実にないその世界を見て、何かしら感動しているのか。それはよくわからない
ただ、その道のりは長く、中心までの道のりは遠かった。

しばらくして、今まで黒い世界だった電脳空間が、急に青く変わった
そこは、俺ずっと目指していた、電脳世界の中心だった
そこには、ずっと探し求めていた奈菜と、ずっとあってみたかった、俺の双子の兄と思われる青年の姿があった
「「君に、ずっと会いたかった・・・・」」
俺たちの言うことは、ほぼ同時だった
「久しぶりだね、僕の弟」
「久しぶりだな、俺の兄」
思うことまで、また一緒だった
Gemini、双子座、何もかも一緒な双子。それはこういうことを言うのか
その青年は、俺そのもので、俺の髪の毛を、白髪にしただけだった。まるで、鏡を見ているような気分だった
そして、何かの機械に入れられている奈菜。たくさんの管につながれ、酸素ボンベを顔につけられた奈菜は意識があるようには見えなかった
「奈菜をどうしたんだ・・・・」
すると、兄はニヤリと笑った
「簡単にいえば、この空間すべてのバックアップデータは、すべてあの奈菜に入っている。君が倒したように見えたアインも、セブンウィルス全員のデータもすべて!無論、僕も、君も」
その言葉に、俺は衝撃を受けた
「いえば、君もデータ。まだ完璧にデータではないけれど、いずれ君もデータになる。あ、僕のことは気軽に龍次って呼んでよ。僕も慎次って呼ぶからさ!だって僕らは・・・・・双子の兄弟だろ?」
その軽い言葉が、俺には許せなかった
「最低な奴だな・・・・・」
俺は見えないように、拳を強く握って、怒りをあらわにした
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