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茨の王冠を抱く偽りの王
16.途絶えた道
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.........何処で何を間違えたのだろう
.........俺たちの道は何処で途絶えたのだろう
.........これも俺が背負った罪の一つだというのか




「ツグミ、集の様子はどうだ」

「どんどんエスカレートしてきてるよ」

「........そうか」

変わることがない天井を見上げ、俺と集の道が途絶えた......あの時を思い出す。


あの出来事の始まりは祭の死だった。
あの日......あの言葉を最後に俺の知ってる、集は消え去った。

「.........僕は王になる」

この発言の次の日から集は"ヴォイド"という権力を振りかざし生徒たちを支配した。
最初の方は反逆する生徒もいたがレッドラインが迫る恐怖......アポカリプス発症の恐怖......暴力や略奪......そんな中、"ヴォイド"は絶対的に明確な力。
そんな力を持つ集に逆らうことは......この閉鎖された小さな世界では死を意味するようなもの。

俺とシオン、綾瀬を含めた少数の生徒は反乱を起こすが......集の勢力は生徒......アンチボディーズとはわけが違う。
俺は生徒を傷つけることが出来ず、集に捕らわれ、今は牢屋に閉じ込められている。

ヴォイドを使おうにも腕が拘束され、包帯で縛られてるため、使用することも出来ずにココにいる。

この牢屋で外の情報を得るのはツグミのふゅーねるだけだ。

「今日はやけに騒がしいけど何かあったのか?」

『アルゴが学校を現れたよ』

「アルゴがっ?」

アルゴの奴、生きてたのか.......良かった。

「で、今は何処にいるんだ?」

『カイと一緒。.......今、捕まってる』

「........そうか」

アルゴが来たなら行けるはずだ。

「ツグミ、頼みがある」

『なに?』

「アルゴのことだ、脱走するのは時間の問題だろ。アルゴに俺を助けにくるように言ってくれないか」

『あれ?カイにしては弱気だね。てっきり「あいつの手助けなんていらねぇ」とか言うと思ったのに』

「お前の中で俺はどんなキャラだよ。とりあえず、頼んだ。あと.......シオンの位置を教えてくれ」

『アイアイ、了解したよ』

この作戦がうまく行けば、集を止めることが出来る。

ーー待ってろよ、集!!
ーーテメェの目を覚まさせてやるよ!!






外が騒がしくなってきたな。
いよいよか!!

ガシャン!!
扉が開く音。

「やっときたか........アルゴ」

「助けに来てもらってその口とは随分偉くなったもんだな.....カイ」

俺の腕の拘束をアルゴに解いてもらう。

親衛隊から俺とアルゴは逃げる。

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