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星河の覇皇
第四部第四章 楯砕きその一
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の日本のマスメディアへの権力集中とその腐敗は以前に述べられた通りである。
「そうした状況を打破するのにネットは大きな役割を果した。だがこのサラーフでは違ったのだ。電力を確保する為にネットを規制したのだ」
「それがかえってマスコミの権力集中を助けたと」
「意図したわけではなかったのだがな。今はその弊害が一度に出てしまっただけだ」
「それより前からあったのですね」
「そうだ。それがナベツーラだ」
 シャイターンはそこで言った。
「ナベツーラのような者が権力を握ることができるのもマスコミの力があってのことだ。日本ではテロ支援国家と結託した政党や知識人が良識派としてもてはやされていたではないか」
「はい」
 マスコミの弊害を語るうえで必ず述べられることである。この時の日本では軍隊を全廃し、テロを平然と行う危険な独裁国家を民主的な平和勢力として絶賛することが良識なのであった。これを以って当時の日本の知的レベルの絶望的な低さを指摘する識者も多い。確かにそれは一理ある。この時代日本は経済的に繁栄していたが何と日本から名の知られた経済学者は全く出ていないのである。それどころか二十一世紀になってもマルクス主義経済を教える経済学者が残っており『経済学の化石』とまで言われていた。彼等は経済は生物であるということを全く理解しておらず十九世紀中頃の古典的な経済をその時代に当てはめていただけなのだ。それでまともな経済学が発達するわけがなかった。日本は漫画がこの時から有名であったがとある漫画家は働くのが嫌でマルクスにのめり込んだ。そしてそこから見事なまでに一歩も出なかった。彼等に進歩や発展などという言葉はなかった。そのような連中に常に動く経済を理解しろと言っても無駄であった。むしろ株で食べている人間の方が経済を理解していた程であった。
 それもこれもマスコミがマルクスばかり言っていたからである。当時共産主義国家であるという建前であった中国人が日本に来てまだ大学でマルクスを教えているのを聞いて驚いたという話がある。

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