暁 〜小説投稿サイト〜
【旧】銀英伝 異伝、フロル・リシャール
第6次イゼルローン攻略戦(3)
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ーなのだろうか。だが、それにしても同盟軍の退路を遮断しようと見せかける戦略的構想、混戦の中を高速で突破していく戦術的洗練の二つは、普通ならざるものである。少数の敵によって、大軍が乱されるという屈辱を上手く利用し、頭に血を上らせて同盟軍を手玉に取っているのだ。同盟軍の統制は急速に乱れつつあった。
 その時、ヤンはフロルの言葉を思い出した。

?? おまえはあの”小賢しい敵”さんがこのまま大人しく下がってくれると思うのか?

 ヤンはその時、戦慄を覚えた。敵将に対して、ではない。フロルに対して、である。フロルはあの時既に、自分と同じことを考えつき、そして恐らくそれをこなすのは、あの狐の艦隊だろうと考えついていたのだ。そしてそれをヤンに指摘していた。

 ヤンはすぐに心理的平衡を取り戻し、作戦案を作り上げた。
「混戦状態のまま、雷神《トゥール》のハンマーの射程外に出て、そこで相互の戦力を引き離し、急速撤退する」
 それはフロルが考えついたものと同じだった。ヤンは彼自身が感心する熱意でもって、総司令部に3度それを提出したが、2度は総司令官によって退けられ、3度目には時機を逸していたのである。





















************************************************
※訂正※
リューネベルク→リューネブルク
幕僚長→参謀長

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ