第二章
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そしてヴォルテールはその三つの謎に対してこう言ったのである。
「答えはわかりました」
「じゃあ彼女に対して答えるんだね」
「その前に出て」
「そうさせてもらいます」
ヴォルテールは確かな声で答えた、そしてだった。
その日の夜の宮中、王が主催する宴に彼女が出ていた。美女は白い絹のドレスに白く染めた髪を持っている、白い整った顔に顔の上半分を覆っている白い仮面を着けている。
美女は一人で宴の場に立ち周囲の視線を受けても平然とそこにいる、その彼女の前に。
ヴォルテールは出て来た、そのうえで彼女に一礼して言った。
「マダム、お願いがあるのですが」
「舞踏のお誘いでしょうか」
「それは後で」
優雅な笑みで美女に答える。
「それからお願いしおます」
「そうですか」
「まずはお聞きしたいことがあります」
徐々にだが確実に美女に語っていく。
「貴女の出される謎ですが」
「はい」
「それを今からお聞きしたいのですが」
こう申し出た。
「宜しいでしょうか」
「三つの謎に」
全て答えたいというのだ。
「そうして宜しいでしょうか」
「わかりました。それではです」
美女はヴォルテールの言葉を静かに受けた、そのうえで。
その美麗な口を開きこう言った。
「第一の謎です」
「それは一体」
「心に常に熱く燃え人を常に苛み」
美女は宝石を転がす声で話していく。
「それでいて至福を与え殺しもし生かすもの」
「それは何かというのですね」
「はい、それは何でしょうか」
「愛です」
ヴォルテールはそれだと答えた。
「それは愛です」
「愛だと仰るのですか」
「愛は人の心に常にあります」
それだというのだ。
「そして燃え上がっていてその対象を見出すとさらに燃え上がり」
「そしてですね」
「その炎で人を苛みます、嫉妬等で」
これが苛むということだというのだ。
「至福、それは愛を受け入れられた時です」
「その時こそが至福」
「そうです」
まさにそうだというのだ。
「苛みが人を殺し至福が人を生かすのです」
「愛がそれですね」
「そうだと思いますが如何でしょうか」
「その通りです」
正解だった、美女はこう答えた。
「まさにそうです」
「左様でありますか」
「よくぞお答え頂きました」
美女はヴォルテールに静かに微笑んで答えた。
「第一の門は越えました」
「では」
「次の謎です」
誰も越えられなかった第一の謎は越えた、だがだった。
謎はまだだった、美女はさらに言う。
「宜しいですね」
「はい、次は」
「何処までも広く何処までも狭い」
如何にも謎めいたものだった。
「そして何処までも深く何処までも浅く高く低く」
美女はさらに言う。
「そ
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