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星河の覇皇
第六部第四章 ゲリラその五
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 軍人は職業であるから食堂も食べているものも同じになるのが連合である。だがエウロパでは職業とは認識されてはおらず言わば騎士なのである。彼等はこの時代においても騎士であるのだ。
 連合とエウロパの軍人に対する考え方はこのようにかなり違う。サハラはさらに異なる。多くの国は徴兵制を採り、そして士官学校がなく全て一兵卒からはじまるかってのイスラエルの様な軍制の国家もある。絶えず戦争が行われている為一兵卒から提督になるケースも多い。また彼等は信仰によってその意義が認められている。彼等は軍人である前にアッラーの戦士であるのだ。
 マウリアは連合と似た感じである。ただしカーストの名残が見られる。このように各国でかなり違っているのだ。
  二人はこの時アドボとシニガン、そしてヒープンギザドに米を食べていた。どれもフィリピンの料理でありアドボは鳥に大蒜やローリエを入れた煮込み、シニガンは酸味を効かせた玉葱やトマト、魚のスープ、ヒープンギザドは海老のココナッツ煮である。二人は向かい合って食事を採っていた。
「ふむ」
 モハマドはアドボの鳥肉を口にしながら呟いた。
「柔らかいな。よく煮込まれている」
 彼はイスラム教徒なので豚肉の入っていないアドボを食べていた。
「そうだな。ここの給養員は腕がいい」
 クラウスもアドボを口にしていた。見れば彼等の隣には私服の少年達がいる。見学の学生らしい。
「美味しいね、これ」
「うん」
 見れば彼等もこの料理に舌づつみを打っている。二人はそれを横目で見た。
「子供にも評判がいいな。これはいいことだ」
「そうだな。軍の食事はまずいという認識が何処かになるからな。これはいいことだ」
 クラウスは箸を手にした。そして白い飯を口に入れる。
「この米もいい。あっさりしていてな」
「そうだな。米はやはりあっさりしたのがいい。こうした料理には特にな」
 二人はどちらかというと細長い米が好きである。八条とは趣向がまた違っている。
「長官はどうやらあの粘りのある米がお好きなようだがな」
「そうか。流石は日本人だな」
 モハマドはそれを聞いて思わず苦笑した。
「日本人の趣向は昔から変わらないな。生の肉や魚を好んで食べるし粘りのある米が好きだ」
「食べてみるとあれも案外美味いがな」
「だが最初見た時は驚いたぞ。寿司にしろな」
「外国でも魚を食べたがる。この前のことを覚えているな」
「ああ、あの時のことだな」
 モハマドはそれを聞いて端を止めた。
「あれは凄かったな。まさか生で食べるとは思わなかった」
「レシフェ星系産のピラルク。食べられるとは思わなかったな」
 レシフェ星系は北西地区にある星系である。ブラジル領でありその中の惑星の一つは熱帯雨林の星である。ピラルクはそこにいる。
 地球のピラルクより
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