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チェネレントラ
第三幕その四
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口調であったがマニフィコはそれには気付かなかった。そしてダンディーニはまた言った。
「それでは言いましょう」
「はい」
「貴方にだけに」
 あえてもったいぶってそう言う。マニフィコは神経を集中させた。
「賢明にして年老いた方は」
「はい」
「常に良き忠告を為さるものです」
「そのようですな」
「そうした方のご令嬢と結婚したならば妻をどのようにして遇するべきでしょうか」
(やった!)
 マニフィコはそれを聞いて心の中で小躍りした。
「そうですな」
 そして答えに入った。
「厚く遇するべきだと思いますが」
「そう思われますか」
「はい」
 彼は笑顔で答えた。
「そしてその賢者も厚遇するべきだと思いますが」
「ふむ」
「賢者を厚遇するのは国の務めでございます」
「それはそうですな」
「はい」
 彼は何とか自分の有利な方に話を持って行こうと考えていた。そして話をしていた。
「礼服の召使を三十人程」
「はい」
「馬も百十六頭程」
「はい」
「賓客がひっきりなしに来てもいいような屋敷」
「はい」
「宴の場にお菓子に馬車。多くのものが必要となります」
「また豪勢なものになりますな」
「御言葉ですが」
 彼はそれでもさらに付け加えてきた。
「それでもまだ足りないと思います」
「といいますと」
「はい」
 彼は答えた。

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