風と火
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状況を理解したのか驚きの表情をしていた。空中のサラマンダーは……唖然としていた
「効果音がうるさすぎるな」
「風の音と地を蹴る音な。……たしかに」
「どうする?あんたも戦う」
キリトが緊張感のない言葉でサラマンダーは我に返ると苦笑した
「いや、勝てないな、やめておくよ。アイテムを置いていけというなら従う。もうちょっとで魔法スキルが九百なんだ、死亡罰則が惜しい」
「正直な人だな」
「君はいいの?」
シルフの女の子に話しかける俺。すると女の子は笑うと口を開いた
「あたしもいいわ。今度はきっちり勝つわよ、サラマンダーさん」
「正直君ともタイマンで勝てる気はしないけどな」
そう言い残すとサラマンダーは翅わ広げ飛び去って行った
「……で、あたしはどうすればいいのかしら。お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも戦う?」
キリトは剣を納めると言った
「うーん、俺的には正義の騎士が悪漢からお姫様を助けた、っていう場面なんだけどな」
にやりと笑うとキリトは続けた
「感激したお姫様が涙ながらに抱き……のわっ!?」
後半を言えなかったのは文脈から予想し、言おうとしていた言葉を察した俺がキリトを全力で蹴飛ばしたからだ。ちなみにキリトの胸ポケットにいたユイは回収済みだ。キリトは木を二本ぶち抜いた後、木に張りつけられ倒れた
「あの……」
シルフの少女は唖然としながらも心配そうな声をあげる
「あの馬鹿はほっといていいから」
「そ、そうですか……」
苦笑いの少女
「で、話は戻すけど俺たちには君を襲う気はさらさらないから心配ない」
「そう……よかった」
少女は息を吐くと俺の手の中にいるユイに気が付いた
「ねぇ、それってプライベート・ピクシーってやつ?」
「えっと?」
「あれでしょ、プレオープンの販促キャンペーンで抽選配布されたっていう……。へえー、初めて見るなぁ」
「あ、わたしは……むぐ!」
SAO関連をしゃべりそうになったユイの口をふさぎどう言おうか悩んでいると、復活したキリトが口を挟んだ
「そ、そう、それだ。俺クジ運いいんだ」
「まあ……たしかに」
ちなみにキリト、墓穴を掘ったぞ、今。まあ、しかしSAOのβテスターになれたのはある意味幸運だったな
「ふうーん……」
少女は俺とキリトを交互に見た
「な、なんだよ」
「や、変な人たちだなあと思って。プレオープンから参加してるわりにはバリバリの初期装備だし。かと思うとやたら強いし」
「ええーと、あれだ、昔アカウントだけは作ったんだけど始めたのはつい最近なんだよ。ずっと他のVRMMOをやってたんだ」
半分真実で半
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