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星河の覇皇
設定資料集五
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                    サハラ
 かってのアラブ諸国がそのはじまりである。だがこの地域は地球にあった頃から戦乱が絶えず、宇宙に進出してもそれが続いていた。結果最初にあった国々は姿を消し多くの国が割拠し興亡する戦乱の歴史を歩んできた。
 この結果惑星の開拓や産業の発展は他の地域と比べやや歪な形になっている。軍事関連が突出し、戦争に関する技術ばかりが発展してしまっている。人口は二千億である。だが長く続く戦乱の為人口は伸び悩んでいる。
 人種構成はかってのアラブ人達そのままである。彫の深い顔立ちに黒い髪と瞳、そして浅黒い肌である。連合やエウロパから見ればそれは美貌に見えないこともない。精悍な顔立ちの者が多いとされている。身体つきは連合のそれと比べると低いがエウロパと同じ位と言ってもいい。決して体格では劣ってはいない。
 服はアラブのものが残っている。そして同時に軍服や背広もある。女性は国によってはヴェールを被っている場合もあるが大抵はスーツ等普通の服を着ている。礼服としてはヴェールは残っている。宗教は言うまでもなくイスラム教である。だが連合のそれと比べるといささか原理主義的であり厳格なものとなっている。長い歴史の間でそれぞれ変質が見られる。しかしサハラのイスラムは本来のイスラムの正統後継者と思っていい。ただし様々な派がある。おおまかにスンニー派とシーア派があるが一概には言えなくなっている。だがムスリムであることには変わりがない。
 国家は無数にあり、その数は時代によって違う。主に戦争の勝敗と権力闘争により国家が増減してきた歴史を持っている。それが一千年続き終わる気配はない。大国と小国の差は大きく、大抵大国が小国を属国としたり、武力併合したりしている。連合のそれと比べて小国の立場は遥かに過酷である。だがその大国も決して油断、安心できる状況にはないのがサハラなのである。あくまで弱肉強食の世界となっている。
 国家形態は共和制の国家もあれば王制の国家もある。だがサハラを統一したものは皇帝、スルタン=カリフになることが半ば暗黙の了解となっている。これはある預言者の言葉である。だがこれはムハンマド以前の名もない預言者の言葉でありその信憑性は薄い。だがそれでもサハラをまとめる者は皇帝になるべきと考えられている。
 地理的には東西南北の四つのエリアに分けられている。東部はオムダーマンやミドハド等七つの国により構成されている。南部は小国が割拠している。東部が最も安定しておりサハラきっての大国ハサン王国が治めている。その下に多くの属国が存在している。北部は小国が割拠しており、そこにエウロパが侵攻し総督府を築いている。これはサハラにとって由々しき問題となっている。
 文化、風俗はイスラムのままである。だがこの時代は飲酒は認められている。そしてナイフ
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