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天才少年と電脳少女
連れ戻された俺

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「では計算力で勝負しよう。じゃあ、問題を出題してもらう人たちを呼ぼう」
パチンッ
アインはそう言って指を鳴らした。すると、どこからともなく、2人がやってきた
「俺の名はダブルフィンガー。サーカス団の団長さ」
ダブルフィンガーはそういって、6つのボールでジャグリングをした
「私の名前は、ギブミーファイブ。サーカス団の紅一点よ」
ギブミーファイブは、ダブルフィンガーに投げキッスをした
「では俺たちから問題を出そう」
「行くわよ!」
奈菜が俺を見守る中、勝負は始まった
出されたのは6ケタの計算。早く多く説いたほうの勝ちである
「324187+676845+912765+873561=?」
簡単だった。俺は足し算が大好きなのだ
「2787358」
「2787358」
俺とアインは、同時に答えた。お互い、互角である
俺は計算しているとき、なんだか楽しかった。ひさしぶりに、こんな感触を味わった
もっと・・・・もっと難問よ来い!
・・・・・・・・・・・・・
あれから何分経っただろうか、楽しんでいた俺は、勝負が終わったことに気付かなかった
アインが問題を間違えたのだ。その間、俺の勝利は決まったらしい
やり終えた俺は、何とも言えない爽快感に満ちていた。計算がこんなに楽しいと思ったのは、ひさしぶり・・・・いや、初めてかもしれない
「見事だ・・・・慎次、やはり君は天才だ。だが、君はやはり僕には勝てない・・・・・」
「何?!」
「フフフフフフフッ・・・・・・ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・」
アインが気味悪く笑い始めたその時、電脳世界に異変がおこった
白かったはずの電脳世界の壁が、真っ黒に変わった。そして、瞬きするよりも速いスピードで、電脳世界の崩壊が始まった
横を向くと、さっきまでいたはずの奈菜の姿がない。上を向くと、アインが奈菜を抱えているのが見えた
「奈菜、奈菜!!」
叫び必死にもがいたが、俺の体はどんどん下に落ちていく
「奈菜・・・・」
意識がなくなるその時まで、俺は必死に、奈菜の名前を呼んでいた
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