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(聖刻シリーズ)創造の紡ぎ手と異世界、そして妖精
1
序章 願い
その世界

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深呼吸をして、魔方陣に魔力を送り込む。
うっすらだった光が眩しい程の光に変わっていく。
それと同時にオレの身体も光に包まれ一瞬閃光が走ったと思った途端、オレは冷たい空気の中に投げ出されていた。

耳元でゴオッという空気の流れる音が聞こえる。
ものすごい突風を受けて眼鏡が飛んでいきそうだ。
かといって風を緩めたら、オレは重力に従って地面に真っ逆さまである。
流石のオレでもそれは洒落にならない。

もう眼下に森が広がっている。
今の高度はどれくらいだろう。

どんどん落ちていき、一番高そうな木に狙いを定める。
ちょうど足場になるように風を調整しながら、その木の一番太そうな乗っても折れなさそうな枝に着地した。
何故木にしたかと言うと、今いる場所がどのような所なのか上から見てみようと思ったからだ。

「案外普通の森だな」
のんびりと地上の方を見ながら口にした。
そのぐらい普通だった。
現在時刻は、空の明るさから見て17〜18時くらいか。
この場所の季節を知らないため断定はできないが、まあそれぐらいが妥当だろう。

そうゆっくりしていると、何処からか叫び声が聞こえてきた。
程なくして、数人の足音が響く。
そして、その後ろから一際大きい足音が響いた。
「・・何かに追いかけられているのか?」
ふむ、と枝の上で呟いた。
どうやらすぐ下までやって来たらしい、足音が聞こえた。
魔力反応はちょうど五つ。
何かに追いかけられている五人全員が魔導士のようだ。
と言うことは。
「・魔物かなんかに追いかけられているって所が妥当だな。手に追えなくなって逃げているのか」
地上を観察しながら考察を誰ともなしに披露する。
ここにやって来て少しはゆっくり出来ると思っていたのだが、もうそれは叶わなそうだ。
「さて、彼らはどんな反応をするのであろうな?」

ここが面白いのか、見極めようか。

そう思って、オレは地上に、魔物の前に降り立った。

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