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演劇やってたら魔王になっちゃいました!
プロローグ
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俺の名前は杉崎(すぎさき) (かおる)20歳
そこら辺にいる平凡男。
大学に通いつつ、変わることの無い学生生活を過ごしていたのだが……。

「ほら、子供達が待ってるぞ!アロウン様!」

「アロウン、言うな!!」

数日前、目の前に居る演劇部の親友に『怪我した部員の代わりに日当3万円で
出てくれ!』と頼まれて本日、子供相手の演劇に出る事になったのだ。

「でも、杉崎君似合ってるよ」

「ホントホント、やっぱイケメンは違うわ」

小学校の体育館で親友と口論していると、近くにいる演劇部女子二人が
俺の格好が似合ってると褒めてくれたが……。
俺は視線を自分の服に落として自分の格好を確認する。
黒のズボンに黒のコート、右の腰には血のように真っ赤な紅の剣。
360度、どの角度から見ても秋葉のコスプレイヤーにしか見えない…。
あと、鏡でもないかぎり自分で確認は出来ないが、髪も銀髪に染まっている。
役を事前に聞いて断って置けばよかったと、今日何度目になるかわからない後悔を
して肩をガックリと落とす。

「ごめんな薫。ウチの部員は男が少ない上、代理でうまく主人公役がやれそうなのは部長しか
いなくてさ。でも、さすがに主人公を女性の部長が演じるわけにもいかないし……」

「分かってるよ、それで高校時代の知り合いで、演劇の経験がある俺に代理を頼んだんだろ?」

「ああ」

ガックリと肩を落とす俺を見てさすがに悪い事をしたと思ったのか、親友は
少し落ち込んだ感じに、謝ってきた。
まったく、こいつは……。

「今度からは、頼む前にどんな格好か教えてくれよ?恥ずかしい格好をすると知って
いるのと知らないのとでは、違うんだからな。」

「ああ、そうする!劇が終わったらお詫びにジュースおごるよ」

「おう!…じゃあそろそろ時間だし、アレの中に控えてるよ」

こうして覚悟を決めた俺は、親友と会話を終えて、舞台にセットされた主人公のアロウンが
眠っている設定の棺に入って横になる。
確か、合図は火薬の音がしたらで、注意は演出のスモークにむせない事。
頭の中で確認すると部長さんがフタを閉めにやってきた。

「それじゃあ、杉崎君。
頑張ってくださいね」

「はい」

部長さんに応援の言葉を持った後、フタをしてもらい。
合図を待つ。

……。

さて、合図まで暇だし、この物語について脳内で復習しておこう。
確か……。

遥か昔の事。

神々は自分達の信仰を得るために、我先と人間を強制的に支配しようとしていた。

この事態を知り、魔術を行使する人間、『魔術師』が抵抗するも大敗。

もはや人間は神の強制的支配を受けるしかないのか?

そう、思われた時。

一人の男
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