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鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
第一章 グレンダン編
天剣授受者
嫌よ嫌よも好きのうち
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 レイフォン・アルセイフは刀を使わない。今、使っているのは剣である。
 本来の得物を使わない彼は力を十全に発揮しているとは言えない。それでも並みの武芸者では相手にならないほど強い。
 それはシキ・マーフェスにも言えることだった。彼が多くの武器を使うのは、単に剄技のアレンジが下手くそということではなく、彼は剣を使うことを禁じていた。
 そして彼も十全に力を発揮しているとは言えない。
 たかが剣、たかが刀、それだけの違いであり技術革新がした今では武器の性能差はあまりない。剣の切れ味を刀並みに、刀の強度を剣並みにすることは可能だ。
 しかし、シキとレイフォンはそんな剣や刀を持ったところで、腕には違和感しか残らない。適正とも呼べるものだろう。
 だがシキは刀を、レイフォンは剣を使う。
 お互い、それには何も言わないが心の底ではこう思っていた。
 ――なんでお前がそれを使っているんだ?

「あれ? これは……」
 ふと、剄技の練習をしていたレイフォンは道場の脇に転がっている棒状の木を見つけた。
 なんだろうと手に取ってみると合点がいった。
「昔使ってた木刀だ。懐かしいなぁ」
 懐かしむように木刀を見ていると、ふと昔のことを思い出す。今よりもずっと子供で、シキとの仲が最悪だった頃だ。今では兄弟のように仲良しだが、昔はそんなに仲が良くなかった。
 幼い頃、レイフォンは自身よりも大きな木刀を振ったことを今でも覚えている。まぁ、覚えているといってもぼんやりとだが。
 最初は義父であるデルクが振っているのをただただ見ていただけだった。当時は、リーリンと一緒におままごとに夢中だった。……正直、この記憶は思い出したくない。
 見ていたレイフォンに気づいたのか、デルクは苦笑しながらこう言った。
「持ってみるか?」
 そしてヒョイと渡された木刀(ソレ)の重さに耐え切れず、転がってしまった。その時の打った頭の痛みを未だに覚えている。デルクは珍しく声を出しながら嬉しそうに笑った。
「お前にはまだ重いか。当たり前だ、お前はまだ子供だ」
 その『子供』という単語にむっとなるレイフォン。意地になって振ろうとするが動かすこともできない。
 いくら武芸者といえども、剄の出し方を知らなければただの一般人と変わらない。
 泣きそうになっていたレイフォンの後ろに影が忍び寄る。
「なにしてんのー?」
「シキか……リーリンはどうした?」
 コロコロと笑いながら、シキがレイフォンを覗き込んでいた。
 デルクはリーリンと遊んでいたはずと思いながら質問してみる。
「んー、こっちのほうが面白そうだから……あー! レイフォンズルい! 刀持ってる!」
 するとシキはレイフォンの腕から木刀を引き抜こうとする。
 レイフォンはそれに抵抗しようと腕に力を込めた。しかし
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