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八条学園騒動記
第二話 妹と兄そのニ
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「あら、あんた達も」
「ああ」
 一人は黒い髪に目の黄色い肌をした白人の顔の男。鼻と背がやけに高く筋肉質だ。目は小さめで二重になっている。彼の名はベン=ヒディングストン。二人のクラスメートでオーストラリア人である。黒いズボンに青いシャツを着ている。
「で、私もね」
 ブロンドの髪に青い目の小柄なこまっしゃくれた感じの女の子であった。彼女はエイミー=サスケード。フェニキア人の女の子でやはり二人のクラスメートであった。青っぽいブラウスとそれと同じ色のロングスカートである。
「何であんた達まで」
「俺はちょっと妹のことでな」
「妹さんのこと?」
「私は一番上のお姉ちゃんのことで」
「あんたはお姉さんのこと」
「それで一緒に行きたいんだ」
「いいかしら」
「何か話がよく見えないけれど」
「まあすぐにわかるさ」
「スターリングのアパートの隣の部屋よね」
「ちょっと待ってエイミー」
 蝉玉がふとエイミーの言葉に反応する。
「何であんたがそれ知ってるのよ」
「だってあれだけ大声で話してたら」
 エイミーがそれに応えて言う。
「誰にだってわかるわよ」
「誰でだってって」
「あっ、やっぱり」
 スターリングがそれに頷く。
「聴こえてたんだね」
「聴こえない方がどうかしてるわよ」
「劉ちゃん声大きいからな」
 ベンも言う。どうやら蝉玉は周りの人間が話を聞いているとは考えもせずに話していたようである。
「で、それで俺達思い当たるところがあって」
「参加させて欲しいのよ」
「どうする?」
 蝉玉はそれを聞いてスターリングに顔を向けて尋ねてきた。
「この二人入れるの?」
「入れるって言われてもどっちみち来るんじゃないかな」
「御名答」
「まあ行く先は変わらないわ」
「やっぱり何かあるのね」
 蝉玉はそれを聞いて眉を顰めさせた。
「それが何かはわからないけれど」
「僕にはわかったけれどね」
 それに対してスターリングは涼しい顔をしていた。
「そういうことなんだ」
「わかるの、あんた」
「うん」
 恋人にも答える。
「これだと大事にはならないね」
「そこまでわかるの」
「まあバットは私も用意しておこうかしら」
「俺もね」
 二人はそこまで話を聞いていた。
「男は狼だって言うしね」
 エイミーはそう言ってにこりと笑う。場違いに思える笑みがかなり怖い。
「まあそれは同意だけれど」
「同意なの」
「まあ本当に好きな人が相手ならいいとは思うけれど」
 そう言って少し顔を赤らめさせる蝉玉であった。
「それ以外は」
「そういや御前等キスまだなんだってな」
「早くしないとスターリング君に悪いわよ」
「な、何でそんなことも知ってるのよ」
「だから話全部聞かれてるんだって」
「うっ
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