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八条学園騒動記
第八話 お金がないのはその二
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「その守銭奴って言葉の響きが。お金を大事にするって感じで」
「そうなの?」
「私にとってはね」
 そのうえあくまで我が道を行く。その姿勢は見事ですらあった。
「お金がやっぱり大事よ」
「他に大事なのないの?」
「結局お金なのね」
「あら、お金で買えないものだってあるわよ」
 それはペリーヌにもわかっていた。
「何、それ」
「チャンピオンベルトとか言わないでしょね」
「まあそれもあるけれど」
「あるんだ」
「勝利はお金じゃ買えないじゃない。買ってもそれは偽者」
「まあね」
「そういう奴は結局は最後は惨めなものよ」
 やはり実力で勝って幾らなのだ。買収やそうした醜い工作で勝利してもそれは本当の勝利とはならないのは何時の時代でも同じなのである。
「それは同意するわ」
 蝉玉もこれには頷いた。
「私だって拳法で直接倒さないとね」
「そういえば蝉玉拳法やってたんだよね」
「そうよ。痴漢でも何でも一撃よ」
「頼もしいわね」
「まあ私は最高出力のスタンガンで昇天させてあげるけれど」
 何気なく頷くエイミーとは違いペリーヌは恐ろしい微笑を浮かべていた。
「一撃でね。うふふ」
「・・・・・・一撃なのね」
 これにはエイミーも言葉を沈ませた。
「少なくとも再起不能ね。一生廃人よ」
「そこまでするんだ」
「あら、当然でしょ」
 その清楚な顔に似合わずしれっととんでもないことを言う。
「だって。女の子を襲う奴なんて最低じゃない」
「そうよね、本当に」
 蝉玉はこれにも同意している。どうも彼女とペリーヌは案外近いものを持っているのかも知れない。
「そんな奴は急所をね。思いきり蹴ってやればいいのよ。それで終わりよ」
「・・・・・・そうなの」
 エイミーはこれにも言葉がない。
「それで一生思い知らせてやるんだから。女は強いんだって」
「そうよね。それで」
「ええ」
 話は次にお金で買えないものに入った。
「次にお金で買えないものはね」
「何?」
「人よね。人の心はお金では買えないわ」
「おっ、いいこと言うじゃない」
 これは素直にいい言葉であった。
「そうよね。やっぱり人の心はね」
「お金はね。大切だけれどやっぱり買えないものだってあるのよ」
「うんうん」
「確かに」
 やっよエイミーも素直に頷ける話になった。
「それはわかるわ」
「けれどねえ」
 ペリーヌはふう、と溜息をついた。
「彼氏、いたらなあ」
「あっ、そういえばペリーヌ今フリーだったっけ」
「そうなのよ」
 エイミーの質問に答える。
「この学校に来てからね。ずっとなのよ」
「誰か彼氏でも作ったら?」
 エイミーが何気なく提案する。
「いいと思うわよ。それにペリーヌの顔だったら」
「皆逃げていくのよ。
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