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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第百五十五話 光の影
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て来た。いつもの顔で光に近付いてきた。
「来てくれたんだね」
「ぷう」
光の腕の中に入った。彼女が少し顔を上げるとそこに一人の若者が来た。
「あっ」
ランティスだった。彼の姿を見て言葉を詰まらせた。
「大変だったな」
彼は光に声をかけてきた。
「今の戦いは」
「うん、それよりも」
だが光は彼に何も言えなかった。言うことができなかった。
「あの」
また俯いてしまった。しかしそれでも言うのだった。
「御免なさい」
頭を垂れて言う。
「貴方のお兄さんのこと、謝って済むことじゃないけれど」
「いい」
だが彼はそれを問題としなかった。光の謝罪を受け入れてそれをよしとしたうえでだ。
「御前も苦しんだ筈だ」
「けれど」
「運命だった」
ランティスは言った。
「兄はそれを覚悟のうえだった。だからだ」
「いい・・・・・・の?」
「そうだ」
また光に言う。
「だから。気にするな」
「うん」
その言葉に頷く。それで心がかなり救われた。
「有り難う」
光は彼に礼を述べた。
「私、おかげで」
「御前はセフィーロの為に戦っている」
また述べてきた。
「それでどうして恨むのか」
「いいのか?それで」
「いい」
それにまた頷く。
「御前の苦しみはわかるつもりだ」
「わかった」
その言葉にこくりと頷く。そうして光の下を去る。
光は彼の後姿をじっと見詰めていた。だが少しして。救われたような顔でその場を後にしたのだった。それが彼女にとって救いになった。

第百五十五話完

2007・4・8
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