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リリカルってなんですか?
A's編
第二十七話 前
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人に割り振ればいいのだから。この際、気を付けなければならないのは、点数配分に気を付けることである。花形競技は点数が高いので、できるだけ取りたいのだ。もっとも、それがわかっているから、確実に取りに行く競技も選んでいるのだが。

 そんな中で、最終的に一つだけ余ってしまった競技があった。それは、最後の最後の花形である学年別対抗リレーである。これは、10クラスが走り、1位から紅白のグループに点数が入るというものである。最後の方にある競技なだけに点数が高い。最後に逆転劇があるのは、実にお約束である。ある種外せない競技ではあるが、これが実に決まらない。いや、第1から第4走者までは決まった。しかし、第5走者―――つまり、アンカーが決まらなかった。

 理由は実に簡単なものである。要するにプレッシャーだ。一位であれば、それを保持しなければならない。それより下であれば、一つでも上を目指さなければならない。一番目立つはずの走者。だからこそ、立候補がいないのだ。ついでに、確実に取れるところに、運動に強い人を持って行き過ぎたというのもあり、ついでに、もともと、僕が所属する一組には、運動が得意な人は少ないことも影響している。

 このクラスで、運動が一番得意なのは、すずかちゃんなのだが、彼女は当然、すでにエントリーしている。この対抗別リレーでは、男女が走る順番が決まっている。これは、男女の差が出てきた上級生向けの調整なのだろうが、ほかの学年に適応しないのは、不公平だと学校側は見たのだろう。僕たちのような下級生にもしっかりと適応されていた。

 そういうわけで、なかなか決まらなかったアンカーだが、最終的には僕が泥をかぶる形で決着がついた。つけざるを得なかったというもの正解だが。そうしなければ、延々と誰かに押し付ける可能性が高かったからだ。もしも、ほかの中途半端な僕みたいな立場の人に押し付けたならしこりが残ったかもしれないが、幸いにして1年生のころから貢献してきただけのことはあって、ショウくんなら、とほとんどが納得してくれた。しかも、立候補なのだ。文句を言えば、自分に押し付けられると小学三年生ながらにみんな悟ったのだろう。

 そんな経緯でもって決まった学年別対抗リレーで、いささか面子に不安があったのだが、案外なんとかなるものだった。いや、最初のうちはやはり主力を欠いていただけに最下位の集団に入っていたのだが、第4走者のすずかちゃんがすごい追い上げを見せて、真ん中のグループにまで追いついていた。全員で10クラスある中で、アンカーである僕にわたる直前の順位は6位だ。ただし、7位から4位までは、団子状態になっている。そんな中で、僕はすずかちゃんからバトンを受け取った。

「はいっ! ショウくんっ!」

 放課後の練習通りにパンッという音を立てて渡されるプラスチッ
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