暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
森と謎の少女と
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さっきの話。具体的には?」

「ええと、一週間くらい前、木工職人プレイヤーがこのへんに丸太を拾いに来たんだそうだ。この森で採取できる木材はけっこう質がいいらしくて、夢中で集めているうちに暗くなっちゃって……慌てて帰ろうと歩き始めたところで、ちょっと離れた木の陰に……ちらりと、白いものが」

アスナの顔色が……でも俺はキリトに先を促した

「モンスターかと思って慌てたけど、どうやらそうじゃない。人間、小さい女の子に見えたって言うんだな。長い、黒い髪に、白い服。ゆっくり、木立の向こうを歩いていく。モンスターでなきゃプレイヤーだ、そう思って視線を合わせたら……カーソルが、出ない」

「ひっ……」

「ほう……」
面白いじゃねえか

「そんな訳はない。そう思いながら、よしゃあいいのに近づいた。そのうえ声をかけた。そしたら女の子がぴたりと立ち止まって……こっちをゆっくり振り向こうと……」

「も、も、もう、や、やふっ……」
最後のは俺がアスナの口を押さえたから出た音だ。続きが聞きたいからね

「そこでその男は気がついた。女の子の、白い服が月明かりに照らされて、その向こう側の木が透けて見える」

「ーー!!」
叫ぼうとしたが俺の押さえられてて声が出せない……何か犯罪っぽいな。言っとくが同意の上だぞ。キリトと

「女の子が完全に振り向いたら終わりだ、そう思って男はそりゃあ走ったそうだ。ようやく遠くに村の明かりが見えてきて、ここまでくれば大丈夫、と立ち止まって……ひょいっと後ろを振り返ったら……」

「ーーーっ!?」

「誰もいなかったとさ。めでたしめでたし」
ここでアスナを解放してやる。すると今まで叫べなかった分とばかりに拳を振り上げ……そこで静止した

「き……キリト君、り……リン君、あそこ」
俺とキリトの視線がアスナの見ているものを捉える

「う、嘘だろおい……」

「ほう……」
さっきからこれしか言ってない気がするが……とりあえず女の子をじっとみるがカーソルがでない。というわけで近づこうとしたその時、ふらりと少女の体が地面に崩れ落ちた。どさり、という音が耳に届いてくる。おう……質量もあるんだ、と感心したがそれどころではないと気付いた

「あれは……」
目を細めるキリト

「幽霊なんかじゃないぞ!!」
と叫んで走り出したので俺もあとに続く

「ちょ、ちょっとキリト君、リン君!」
幽霊が嫌いなアスナは出遅れたが「もう!!」と言って着いてきた

倒れている少女をキリトが抱き起こしたので俺は少女を観察し始めた

「だ、大丈夫そうなの?」

「「うーん……」」
俺とキリトは首を傾げる。SAO内では人間の生理的活動はほとんど省略されているため呼吸を感じたり、バイタルをみたり
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