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とある星の力を使いし者
第34話
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につかないように格闘しながら考える。

「けどその離れるってのは「とりあえず」なのよね。
 次に会ったらまた付きまとわれるのは確実だし、せっかくの機会だから二度と付きまとわられないようにしたいんだけど。
 そうすると今日一日アンタと一緒に行動して、それをできるだけ多くの人に見て貰う。
 そうすれば海原にも強い印象を与える事が出来て距離も離れていって・・・・ってどうしたの?露骨に嫌そうな顔して。」

「今の言葉を聞いて嫌な顔をしない奴がいたら教えてほしいね。
 それに俺は昼ごろに知り合いと待ち合わせしているから一日中付き合ってやる事は出来ないぞ。」

ええ〜、と残念な顔をする。
美琴からすればここで麻生が居なくなればこの計画が崩れてしまう。
そうなるとこれからどうすればいいのか?
手に持っているホットドックをテーブルの上において真剣に考える。
対する麻生もホットドックをテーブルの上において上条の宿題である古典のプリントを取り出す。
美琴はホットドックを食べようとして手を伸ばすが、テーブルの上にホットドックが二個置いてあることに気づいて手が止まる。

「アンタ、どっち食べてたか覚えてる?」

古典のプリントをパラパラと流し読みしていた麻生に聞く。
麻生は視線だけをテーブルの上に向けて適当に答えた。

「さぁな、こっちなんじゃないのか?」

と言って手前にあるホットドックに手を伸ばすが美琴がその手を掴む。

「ちょ、ちょっと待ちなさい、確かめさせて。」

ええ〜、とめんどくさそうな顔をする麻生だがそんなの無視して二つのホットドックを見比べる。
どうやら食べかけの部分を凝視しているようだが、そんなインデックスのような完全記憶能力みたいな能力がなければ分かる訳がない。
麻生も能力を使えば見分けがつくがそんなしょうもない事に能力を使う訳がない。

「分かったか?」

「・・・・・・・」

「分かっ・・・」

「ああもう!分かんないわよ!
 じゃあいい、アンタの言うとおりこっちの右の方がアンタで左は私でいい!
 まったく、ちょっとは気にしなさいよこの馬鹿!」

何で馬鹿呼ばわりをされないといけないんだ?、と思いながらホットドックを食べる。
美琴は両手でホットドックを掴み口がピッタリと閉じて黙っていて動きも凍りついてた。
そしてしばらく眺めてからやがて小動物のように口へ含んだ。

「それで恋人役は昼ごろまで付き合ってやるとして一体どんなことをするんだ?」

「え?どんなことって・・・・」

どうしよう?といった顔をする美琴。
その顔を見て何も考えていなかったのか、と呆れた表情を浮かべてため息をつく麻生だった。
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