暁 〜小説投稿サイト〜
茨の王冠を抱く偽りの王
01.偽りの王
[1/5]

[1] 最後 [2]次話
いつもの日常。
何事もない普通の日常の光景が目の前にはあった。

「おい、シュウ、カイ!」

俺、茨 壊(イバラ カイ)と桜満 集(オウマ シュウ)が席についていると魂館 颯太(タマダテ ソウタ)と寒川 谷尋(サムカワ ヤヒロ)が俺たちに近づいてくる。

「ごめん。コンクール用のビデオクリップ、まだ出来てないんだ」

「.....って、違ーよ!別に催促しに来たんじゃねェっての!」

「まぁ、まぁ、颯太。落ち着いて」

「じゃあ、何の用?」

パタン。本を勢いよく閉じる颯太。

「本当に一人で出来るのかって聞きたいのさ颯太は、な?」

八尋が止めてなければ颯太は今にも集を殴りそうだ。

「昼休みに部室の機材借りて片付ける、つもりだけど何か問題ある?」

「いいのか?ホントに一人で」

颯太が集に問いかける。

「押しつけられたなんて思ってないよ」

集の言葉をすこし遮るように颯太が言う。

「そうじゃなくてさ」

「映研の部室は居心地がいいし期限には間に合わすから」

集が言っている映研とは、"現代映像研究同好会"略称。

「あのなぁシュウ!俺ら友達だろ!」

「......うん」

「じゃ、頼んだぜ」

八尋が颯太を連れて教室から出て行く。

「任せてよ」

集は一段落終えたような顔をしている。

「かわいそ。颯太君」

集の席の斜め前、俺の隣の席の少女、校条 祭(メンジョウ ハレ)。映研の一人だ。ついでに俺も映研の一人だ。

「.....?なんで?頑張って空気読んだつもりだけど」

「読めてないよ」

「確かに全然読めてない」

「ニブすぎだよ。いろいろ」



集の考えは人とは少しズレていると俺は思う。今日の昼食もそうだ。昼食を颯太と八尋と俺が一緒に食おうと言ったが、部室にいくから、と断った。やはり、少しズレている。
まぁ、俺は人間としておかしいから言えた話ではないが......。
俺の右腕には包帯が巻かれている。この右腕は俺の右腕ではない。この右腕はあの日.....全てが失われたあの惨劇の日に自分の右腕を失い手に入れたもの。


昼食の途中、集のことが気になり映研の部室に向かう。
映研の部室は校舎から橋を渡った先にある。映研の部室に向かおうとする......だが、映研の部室から見たことない人が出てくる。だが、問題はそこではない。その人たちが銃を持っていることだ。
俺はとっさに隠れた。
映研の部室から出てきたのは三人。二人は銃を持ち白い防弾チョッキを着てヘルメットにサングラスらしきものをかけている。一人は坊主の色黒で白衣を着てサングラスをかけている。一人は女性でピンクの髪に大胆な服装で腕からは血が流れている。その子
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ