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対決!!天本博士対クラウン
第六十七話
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              第六十七話  カイザージョー復活
 博士のゴッキローチ増殖は止まらなかった。日本から暴走族や暴力団は消えたがもっと恐ろしいものが街を徘徊し国際的にも問題視されていた。
「この度国連では」
 ニュースキャスターがテレビで話している。
「日本に対して治安回復の為の特別部隊の派遣を決定し」
「何じゃ、その程度か」
 博士はそのテレビを見ても平気な顔をしていた。
「軍隊なんぞ怖くとも何ともないわい」
「じゃあ何が怖いんですか」
「全くないのう」
 小田切君の言葉に平然と答えるだけであった。
「それこそ正義の味方でも連れて来るのじゃな」
「だから今度特殊部隊が大勢来るんじゃないですか、ここに」
「甘い甘い」
 それを聞いても全く動じてはいない。好物のパエリアと赤ワインを堪能するだけである。
「そんなものでわしを倒せると思うてか。わしはな」
「十字軍と戦ったんですか?」
「あんなのはヒョッコじゃったな」
 本当に戦ったことがあるらしい。
「野蛮なだけの雑魚共じゃったわい。他愛のない」
「そうだったんですか」
「モンゴル帝国軍や日本軍は強かった」
 腕を組んで唸ってみせていた。
「立派じゃったのう。あとローマ帝国軍やイエニチェリもな」
「色々な軍隊と戦ってるんですね」
「サン=ジェルマン伯爵ともやり合ったことがあるぞ」
 話がホラを突き抜けてファンタジーになってきていた。
「それこそ何百年もやり合ってまだ決着がついておらん。他にはリトルグレイや太上老君とも戦ったことがあってのう。ダイダラボッチはいい奴じゃった」
「どんな経歴なんですか、そもそも」
「経歴なんぞ人には何の関係もないものじゃ」
 端だけ取れば正論と聞こえなくもない。端だけであるが。
「特にわしのような偉大な天才にはな」
「そうですか」
「左様。それで特殊部隊に対しては」
「また何かしでかすんですね」
「少し遊んでやろう」
 そう言うと携帯電話を取り出してきた。すると。
 不意にあの巨大ロボットが来た。カイザージョーであった。研究所を壊してその場に現われたのであった。
「これでな」
「あの、博士」
 小田切君はカイザージョーはどうでもよかった。この場合の問題点は。
「研究所破壊しましたけれど」
「大した問題ではない」
 それでも博士にとっては些細なことであった。
「自動修復機能をつけておいた。一時間経てば元通りになっておる」
「そうですか」
「では来るがいい特殊部隊よ」
 国連が相手でも動じない。
「完膚なきまで粉砕してくれるわ」
 カイザージョーを前に宣言する。またしても博士のとてつもない暴走がはじまろうとしていた。


第六十七話   完



          
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