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対決!!天本博士対クラウン
第四百四十四話
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                   第四百四十四話  有り得ない殺戮
 博士の殺戮は続く。ロボットにミサイルを使ってのだ。
 それを観ているのは小田切君だけではない。華奈子と美奈子もだ。
 家のテレビでその有様を観てだ。二人で話すのだった。
「また博士ね」
「自分でテレビで出て堂々と言ってるしね」
 ある番組をジャックしてそれで堂々と宣言したのである。己の仕業だとだ。
「何ていうか。今の時点で二万人死んでるんでしょ?」
「首都は壊滅状態になってるし」
 美奈子が華奈子に話す。
「相変わらずやることがね」
「無茶苦茶ね」
「無茶苦茶って言葉でも済まないから」
 それどころではなかった。博士の行動は常に。そしてだ。美奈子はこんなことも言った。
「ううん、この国崩壊するのかしら」
「しないんじゃないの?」
「しないの?」
「だって。この国ってね」
 華奈子はその画面を指差しながら話す。テレビの画面を。
「究極の独裁国家じゃない」
「有り得ないまでのね」
 人類史上最低最悪の独裁国家と言われている。何しろ国家の全てが偉大なる将軍様の為にあるという国だ。そんな国は地球の何処にもない。
 それでだ。華奈子は言うのだった。
「だからよ。将軍様がいる限りね」
「潰れたりしないのね」
「残念だけれどね」 
 こう言う華奈子だった。
「この国は絶対に崩壊しないわよ。将軍様が死なない限り」
「嫌な話ね。将軍様だけ死んだらいいのに」
「将軍様とあの新聞の社長は皆死んで欲しいと思ってるわよね」
「その二人はね」
 絶対にだとだ。美奈子も華奈子の言葉に頷く。
「何ていうか嫌な奴よね」
「それは同意するわ。博士のやることには同意できないけれど」
 破壊と殺戮はというのだ。
「ああした独裁者は何とかなって欲しいわ」
「死なないのよね、中々」 
 そうした独裁者達程死なないのだった。
 それでだ。華奈子も美奈子もだ。テレビの前で困った顔になって言った。
「魔法でああした独裁者何とかならないかしら」
「そうね。せめて独裁を止めさせるとかね」
「そうすれば多くの人が助かるんだけれど」
「そこまでの魔法を使える人ってやっぱりね」
「いないのかしら」
 独裁の巻き添えで迷惑を被る人々を救えるかというのだ。今二人が話すことだ。
 だがそのことはだ。二人にはだ。
 答えが出ないことなのでだ。できることは。
「とりあえずあたし達ができることは」
「私達の魔法をもっとレベルアップさせて」
「それで他の人の役に立たせてもらう」
「それだけよね」
 いつも今田先生と今日子先生に言われていることを頭に置いてだ。そうしてこう誓うことだった。


第四百四十四話   完


            
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