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FAIRYTAIL〜時空の少女〜prorourge/始まりの物語
1部
悲しき友
2.外への誘い

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心地よいまどろみの中に、突如不協和音が響いた。
誰だ。私の眠りを邪魔する者は。
瞬時に殺してしまおうと思ったが、わざわざこんなところまで来る変人に興味がわいた。

何、私の機嫌をそこねようものならば殺してしまえばよいことだ。
そう思って目を開けてみたら、あっけないほどに拍子抜けしてしまった。

私の目の前にいたのは齢16か17の小娘ただ一人。
腰ぐらいの長い銀髪に、同色の瞳のいわゆる「美少女」であった。
起き上がってその娘を観察する。
ここにヒトが来るのはずいぶん久しぶりで、そのせいか接し方が分からない。
分からないというか、久しぶりすぎるというか。

「・・・私の所になんのようだ」
久しぶりに声を出した。
その久しぶりに発した言葉に若干のいらつきを混ぜて銀髪の娘に問いかける。
だが、その直後に返ってきた返事を聞いて、心底驚いた。
よもやただのヒトがそのようなことを言うなんて。
純粋に驚いていると、娘が私に向かって手を差し出してきた。

なんていうのか・・・今日は驚いてばかりだ。

ヒトと馴れ合うなんて、夢にも思わなかった。


差し出してきた手を不器用に握り返して、ふと娘の名を聞いてなかったことに気づく。
「・・・そういえば、そなたの名を聞いていないな」

「そういえば名乗るのを忘れてたよ」
娘は気がついたように言ってから、にっこりと笑った。

「私の名はアイシア。君の名は?」
「・・・私にそなたのような名などない」
はっきりと言ってやると、アイシアは困ったように腕をくんだ。
「名ぐらいないと困るんだよね・・・あ、そうだ」
ぱちんと指をならして、さも名案だというように言うアイシア。
このアイシアという少女の調子に少し慣れてきた気がする。
これは元からの性格なのか。
だとすると、なんだか妙に頭が痛い。

「エリーゼ!」
「は!?」

「これからあなたの名前は、エリーゼ!!どう、かわいい名前でしょ?」
ね?と笑ってみせる少女を見て、正直どうでもよくなってきた。
「好きに呼べ・・・」
脱力して私はぼやく。
私を見てニヤニヤ笑っているアイシアを見てたら、いつのまにか警戒をといていた。




ーこれが私と彼女の、最初の全ての始まり。


昔々の物語。



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