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戦国異伝
第四話 元康と秀吉その一
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む」
 義元は彼の言葉を受けて一旦瞑目した。そのうえで再び目を開きそのうえでまた言うのだった。
「わかった」
「宜しいですか」
「行くがいい。そしてその目的を果たすのだ」
「まずあの城を攻略し織田信広を虜とします」
 それからさらに話す。
「そして、です。織田信広を人質としてです」
「どうするのじゃ?」
「今尾張にいる松平竹千代を取り戻します」
「交換だというのじゃな」
「はい。松平氏はやはり三河の主です」
 このことは義元も雪斎も嫌になる程わかっていた。三河の者は結束が強い。そしてその中心にいる者こそ主である松平氏であるのだ。
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