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木の葉芽吹きて大樹為す
若葉時代・火影編<後編>
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ないさ。――……少なくとも、オレが生きている限りはな」

 静かに囁かれた一言に、思わず足が止まる。
 しかし、それ以上言葉を続ける気もなく、私は部屋を出た。

*****

 岩との会談を終えて、私達は木の葉へと戻った。
 私とマダラの方針に決定的な違いがある事に関しては、もう誤摩化しようがなかった。
 互いに互いの主張を譲る気もない。
 マダラが武力に寄る木の葉の――ひいてはうちは一族の利権拡大を望むのであれば、私は話し合いや同盟に寄る平和の実現を願っていた。

 会話はどこまでも平行線を辿り、既に入ってしまった亀裂が修復される事は困難だった。

 ただでさえ戦に疲れ、争いの毎日を倦んでいた人々。
 そんな彼らを再び戦場に送り出す様な真似を私はしたくなかったし、するつもりもなかった。
 その主張は木の葉の人々にも受け入れられ、火の国全体が木の葉と言う大きな隠れ里が出来た事でようやく訪れた平穏な毎日に微睡みの日々を送っていた。



 そんなある日。
 私は固い顔の桃華から、一つの知らせを受け取った。

「――――なんだって? もう一回言ってくれるか、桃華」
「……うちはマダラが、一族から……引いては木の葉から去りました。火影様、如何なされます?」

 手にした筆に力を込めれば、嫌な音がする。
 うちはマダラが木の葉から去った。言葉の表面上だけを聞くのであれば、なんともない。
 ――しかし、その言葉が意味する物は重い。

「うちはの人々は何と言っている? 戦国の世を共に駆け抜けた頭領が去ったんだ、かなり動揺している筈だ」
「いえ、それが……。寧ろ、安堵している様にも見えました」

 安堵している? どういう意味だろう。
 唇を噛み締める。考えなければいけない事が山ほど有った。
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