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SAO─戦士達の物語
ALO編
八十話 それから、これから(完全版)
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きなバトルアックスを背負っている。
ケットシーとなって獣の耳としっぽが生えたシリカは肩に小さなドラゴンを乗せ、リョウに向かって手をぶんぶん振りながら飛びあがってくる。
リズは彼女らしくレプラコーンだ。銀色のハンマーを背負い、シリカに呆れるように微笑みながら上昇してくる。
手をつないでいるのは、ユリエールとシンカーだろう。なんとも新婚さんな雰囲気だ。
サーシャはまだ飛行に慣れていないようだ。子供たちにあーだこーだ言われながら頑張って上昇してくる。
サクヤやアリシャ・ルー、ユージーン将軍も配下を連れながら上がってくる。ユージーンの後ろからは、ホムラがリョウに不敵な笑みを向け、リョウもそれに返す。
いつの間にか随意飛行をマスターしたらしいレコンは、凄まじいスピードで上がって来て……リーファに手を振ってから、一直線に浮遊城を目指す……最近妙に自分から隠れているような気がするのは気のせいだろうか?後でとっちめてみよう。

やがて三人の前に、黒髪をなびかせたサチと、水色の髪に肩に小さな妖精を乗せたアスナが昇って来た。

「さ、いこっ!リーファちゃん!」
アスナがリーファに手を伸ばす。彼女がその手を取ると、アスナはニコリと笑って身をひるがえし、上昇を再開。
肩にユイを乗せたキリトもそれに続──こうとして後ろを見た。

「……兄貴?」
「リョウ……?」
リョウは、浮遊城のある一点だけを真剣に睨みつけているようだった。
それが何処であるのかは二人には分からなかったが、それでも睨みつけているのだけは分かった。
そうして彼は俯き、何かを小さく呟く。

「────」
それは恐らく、人の名だったと、サチは確かにそう感じた。
顔を上げたリョウに、サチは心配そうに問う。

「……大丈夫?」
その言葉にどんな意味が含まれていたのか、それは彼女自身にすら分からなかったが──答えは、いつも通りの、ニヤリとした笑顔だった。

「何でもねぇさ……さーて、そんじゃまぁ、行きますか!!」
そう言って、彼等ははばたき、城へと向かう。
やがてその影は、沢山の妖精の群れの中へ溶けるように見えなくなった。


Act 2 Sixth story 《妖精の世界》 完

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