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魔王の友を持つ魔王
§小ネタ集part2
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るような轟音と共に、彼は本の中に埋没している。

「道教じゃなくて封神演技だろ。しかもまたいい加減にまとめたなお前デマも嘘も混じりまくり……っかコレ人に見せる文章じゃねぇよ もうちょい粘れ。あと僕ってなんだ僕って。ちゃんと名前に直せ。これは作文じゃねーの、わかってんのか? チートとかフルボッコとか意味わかんねぇぞ」

 隣に座り酒を飲んでいた須佐之男命が呆れている。彼は黎斗の解説の真偽に言及することはほとんどない。言及するのは書類の書き方など内容以外の面がほとんどだ。「素人にひも解きなんざ期待してねぇ」と言うくらいならやらせるな、と黎斗は思う。これだけ資料があれば、もう少しまともな解説を作れそうなものなのだが。途中までは(贔屓目に見れば)それらしかったのに、後半のまとめ方、文章も酷い。これでは(三人の中で最も採点の甘い)瑠璃の媛でも赤点と言うだろう。

「結局何書こうと同じでしょ? アーリマンが親しい相手の力を拝借できるってことと邪気化して転移したり生命力奪えることがわかればいーじゃん。それにいい加減書物漁るのあきたし」

「……はぁ」

 須佐之男命は呆れることを諦めた。この馬鹿に呆れる時間が勿体ない。こんな使い方をされているのだ。世界中から集められた資料に意思があったならきっと泣いているだろう。集めた人間も報われない。

「っーかさ、なんで僕の権能解説を「僕が」やらにゃならんのだ。全部”No,Date”でよくねぇ? その方が格好いいし。何より秘密保持の観点でみてもいいじゃない。プライバシーの保護を求める!」

 現世ではようやくプライバシー保護が叫ばれる時代になったらしい。ここまで本当に長かった。これでやっと須佐之男命にもプライバシーという単語が伝わる。今までは説明が面倒で口に出せなかった言葉だ。

「一応作っておけば便利なんだよ。お前が現世で暴れて存在が公になったときとかな。正史編纂委員会の連中がオレに事情を聞きにやってきたところでこいつを突き出してやればお前の危険性は十分わかる。お前がオレの力を使えば絶対聞きに来るだろ。そっから情報が他の神やら神殺し共に漏れれば万々歳だ。友人が増えるたびに危険度を増していく神殺し。人の輪を断ち切らない限り延々と強化され続ける存在相手に真っ向から噛み付く阿呆はそう居ないだろうよ。……夜の闇討ちはあり得るだろうがな」

 今の黎斗は須佐之男命から一時的だが彼の権能を含む全ての力を借りることが出来る。彼が今までに簒奪した権能と組み合わせることで非常に多彩な戦法がとれるのだ。この脅威だけでも教えておけば黎斗に手を出す輩はまず居ないだろう。惜しむらくは借りれる相手が死亡すると能力を借りれなくなることか。

「そのためかよ! ……ったく、現世にはケータイの充電関係以外で出ることないから無用
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