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万華鏡
第七話 お泊り会その七
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 彼もお菓子を食べていた。クッキーやチョコレートを食べている。琴乃はそれを見てその弟にこう言ったのだった。
「一杯食べてるわね」
「これがあるからさ」
 だからだというのだ。
「別にいいよ」
「だといいけれどね」
「俺自分が食ってたらもうそれでいいから」
「それ以上はいらないっていうのね」
「満腹でまだ欲しがるって普通はないだろ?」
「それはそうよね」
 弟がそうした性分であることは知っている。だから琴乃もこの言葉にはそのまま頷いた。しかしそのうえでこうも言うのだった。
「けれど。かなり作るから」
「いいよ。姉ちゃん達だけで食えよ」
「本当にそれでいいのね」
「どうせ余らないだろ」
 弟はこう予想していた。それで実際にこう言ったのである。
「全部食っちゃうだろ、そんなの」
「言われてみれば多分」
「だろ?皆集まってお菓子が出たらさ」
「皆一杯食べるから」
「残りはしないからさ」
 絶対にそうなるというのだ。こう言ってだった。
 弟は琴乃の作っているお菓子には一切目を向けずゲームを続けた。琴乃も琴乃で料理に専念した。そうして用意が出来てからだった。
 琴乃は冷蔵庫に入れるものは入れて後は休んだ。それから暫くしてだった。
 チャイムが鳴った。それで自分の部屋のベッド、寝転がって休んでいるそこから起き上がって家の玄関の方に向かった。そして扉を開けると。
 四人共いた。それぞれ私服で笑顔で玄関のところに立っている。琴乃は四人を見て笑顔でこう言って応えた。
「いらっしゃい」
「うん、それじゃあね」
「今からあがっていい?」
「どうぞどうぞ」
 琴乃は四人に笑顔で述べた。そうしてだった。
 家の中に入る時に四人はしっかりとこの言葉を出した。
「お邪魔します」
「失礼します」
 この言葉を言うことを忘れなかった。この言葉が全てのはじまりだった。
 五人で琴乃の部屋に入ると琴乃はまずこう四人に言った。
「じゃあちょっと待っててね」
「ああ、ここでなので」
「ここで飲んだり食べたりするのね」
「うん、お菓子だからね」
 だから部屋で食べてもいいというのだ。
「それに私のお部屋だと普通にくつろげるでしょ」
「そうだよな。確かに」
「リビングだと家族の人もいるし緊張するけれど」
「こうして琴乃ちゃんのお部屋だとね」
「くつろげるわね」
「でしょ?だからね」
 琴乃は美優達四人に笑顔で話す。そうしてだった。
 四人に部屋にいてもらい自分はリビングに向かいその隣のキッチンにある冷蔵庫を開いた。そうしてそこから次々と持って来た。
 まずはスコーンにサンドイッチ、そしてケーキにエクレア、シュークリームにケーキだった。
 そうしたものと共に紅茶もある。その他には。
「ああ、ワインな」

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