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万華鏡
第六話 ゴールデンウィークその三

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「そういうの?」
「あの神社でお泊り会ね」
「それをしようっていうのね」
「ええ。どうかしら」
 景子は四人に対して提案する。
「お部屋もお布団もあるしね」
「だからなのね」
「それで」
「ええ。皆はどうなの?」
「景子ちゃんの家は知ってるけれどな」
 美優が言ってきた。
「いい考えだよな。けれどな」
「けれど?」
「景子ちゃんの家だけだとあれだろ」
 美優は笑って言うのだった。
「あたしの家でもどうだよ。親と兄貴いるけれどな」
「美優ちゃんのお家でもお泊り会?」
「それしようっていうのね」
「ああ、それでどうだよ」
 自分の家でもお泊り会をしようというのだ。
「やるなら一人のところじゃなくてな」
「皆のところでなのね」
「順番でしようっていうのね」
「どうだよ。それ」
 美優は笑ってまた言う。
「悪い考えじゃないだろ」
「私のお家もね」
 今度は彩夏が言ってきた。
「お兄ちゃんもいるけれどね」
「別にいいのね」
「お泊り会しても」
「お兄ちゃんは適当だし親はそういうことかえって喜ぶ方だから」
 娘の友人達が家に来ることを喜ぶというのだ。
「だからいいわよ。うちもね
「ふうん、じゃあこれで三人?」
「三人だよな」
 こう話すのだった。
「順番でな」
「四人よ」
 また里香が言ってくる。
「私のお家も大丈夫だから」
「里香ちゃんのお家もなの」
「いけるの」
「やっぱりお父さんとお母さんがいてね」
 里香の家も両親は健在だった。
「あとお兄ちゃんとお姉ちゃんがいるけれど」
「ああ、里香ちゃんって末っ子だったわね」
「そうだったよな」
「そうなの。それでね」
 その末っ子の里香がさらに話す。
「私のお家も。多分だけれど」
「お泊りしてもいいんだ」
「そうして」
「パジャマに着替えてね」
 屈託がなく落ち着くその服を着てだというのだ。
「楽しく遊べるから」
「じゃあ里香ちゃんのお家でもよかったら」
「遊べるな」
「そうなるわよね」
 こう話すのだった。そしてだった。
 これで四人になった。話は終わったと思われたが最後で琴乃も言ってきた。
「私の方も大丈夫よ」
「琴乃ちゃんのお家も?」
「うん、大丈夫よ」 
 こう言ったのである。
「私のお家もね」
「じゃあ五人全員?」
「そうだよな」
「そうなるわね」
 景子に美優、彩夏が顔を見合わせる。
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