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万華鏡
第六話 ゴールデンウィークその二
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「もっとな」
「そうなのね。じゃあ」
「どんなグループの歌を歌うかも考えてくか?」
 美優を首を少し左に捻りながら四人に述べた。
「それも話していくか」
「そうね。私達は五人でね」
 ここで言ったのは里香だった。
「楽器もギター二つでベース、ドラム、キーボード」
「ヴォーカルは琴乃ちゃんメインでね」
 彩夏も話に加わる。五人は屋上の端のベンチに並んで座ってフェンスにもたれかかってそのうえで話している。
「私達もそれぞれ歌うけれど」
「基本ヴォーカル琴乃ちゃんだから」
「参考にするグループも限られてくる?」
「いえ、結構こういう編成のバンド多いから」
 だからだとだ。里香は言う。
「参考にできるグループも多いけれど」
「そうなるのね」
「ええ。男の人のグループでもね」
「男の人のグループも参考にするの」
「別に女の子にこだわらなくてもいいじゃない」
 それに構わないというのだ。
「カラオケだと男の人の曲でも歌うでしょ」
「確かにね。それはね」
「だからね」
 それでだというのだ。
「色々なバンドのいいと思う曲を片っ端から練習して」
「歌って」
「そうしていけばいいんじゃないかしら」
 里香はこう彩夏に話す。
「私達の場合はね」
「ロックとかにこだわってないから」
「何なら演歌でもね」
 里香はこんなことも言った。
「そういうのもいいんじゃないかしら」
「いや、演歌は幾ら何でも」
 どうかとだ。彩夏はその里香に苦笑いで返した。
「無理でしょ」
「例えだけれどね」
「やっぱりバンドで演歌は無理よ」
 彩夏は少し想像してみたがそれでもどうも想像できずにこう言った。バンドと演歌が頭の中で一つにならなかったのだ。
「絶対にね」
「うん、私もそう思うわ」
「里香ちゃんもなのね」
「ちょっとね」
 里香も少し苦笑いになって述べた。
「ぴんとくるものじゃないわね」
「やっぱりそうよね」
「かなりね。ただね」
「ただ?」
「本当にいい音楽だったら何でもね」
 演奏してみようというのだ。それが里香の考えだった。
「してみるといいのよ」
「それはその通りね。じゃあね」
「この歌もよね」
「歌おう。あとね」
「あとって?」
「もうすぐゴールデンウィークだけれど」
 里香は話題を変えてきた。今度の話題はこれだった。
「部活あるけれど」
「部活ない日とか終わった後?」
「その後のこと?」 
 四人がその里香に問う。美優以外の四人は大体同じ身長なので里香のその目を同じ高さで見る形になっている。
「部活の後の時間に何するか」
「そういうことよね」
「うん、どうしようかしら」
 里香はその四人に対して問うた。
「ゴールデンウィークの時は」
「私のお家でお泊り
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