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万華鏡
第十一話 流鏑馬その十二
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 皿や箸を出しながら二人に話すのである。
「そこにどうかしら」
「そうだな。悪くないな」
「そうだな」
 兄だけでなく父も頷く。
「そうして宣伝してな」
「来てくれればいいな」
「確かに難しいけれどな、流鏑馬は」
「それでもか」
「世界に広まるから」
 景子は里香に言われたことをそのまま話す。
「それでどうかって言われたのよ」
「言われた?」
「うん、友達にね」 
 隠すつもりはなかったので兄達にありのまま話す。
「言われたの」
「そうか。景子のお友達にか」
「アドバイスしてもらったんだな」
「悪い考えじゃないわよね」
 景子は父と兄にあらためて言う。
「別に」
「いや、そういうやり方があったんだな」
 父はその烏の足跡が目立ってきている目を丸くさせて言った。
「ネットか」
「うん、神社のホームページを使ってね」
「ネットのことは詳しくなかったが」
 父はそうしたことには疎いと自分で言ってしまった。
「それでもか」
「そう。神社のホームページの管理は」
「巫女さん達がしている」
「八条神社の?」
「アルバイトの人じゃなく正規の人がな」
 流石にアルバイトでは立場上任せられないというのだ。
「神主さんもお父さんもしていないんだよ」
「僕もだよ」
 そしてそれは兄もだった。
「あれは神社の女の子達がしているんだよ」
「そうだったのね」
「いや、最近神社でも女の子の力が強くてな」
「男も逆らえないんだよ」
「特に神主さんの奥さんが強くてな」
「凄いからな」
「確かにあの奥さんは強いわよね」
 景子もよく八条神社に出入りするので奥さんのことは知っていた。奇麗な人だが伊達に大きな神社の奥さんではなかった。
 強い、景子から見てもなのだ。
「敵に回したらそれこそ」
「生きていられないからな」
「まさに敵はいない感じだよ」
「八条神社も奥さんが取り仕切ってるのね」
「何処の神社でもそうだぞ」
「うちだってそうだしな」
 つまり景子の家の神社の彼女の母が仕切っているのだ。
「まあ天理教程女の人は強くないがな」
「あそこまではな」
「天理教って。あそこはまた別格じゃない」
 景子は天理教についても知識がある。実は八条神社はその八条分教会とも仲はよく交流が深いのである。
「婦人会よね」
「仏教とかでも婦人会はあるがな」 
 父は一応といった感じで娘に話す。
「けれどあそこの婦人会はな」
「また別よね」
「そもそも教祖が女性の方だ」 
 中山みきという。天理教においては『おやさま』と言われ今も尊敬されている。
「そこからはじまっているからな」
「最初からなのね」
「婦人会が教会長の旦那さんを支えて子供を教えているんだ」
「子供さんは学生担当委員会
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