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万華鏡
プレリュードその十五
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に顔を向けてだ。琴乃は答えた。
「何かね」
「前向きにいっていいと思うわ」
「前向きに、よね」
「私実はあまり前向きじゃないけれど」
 里香は今度は少し苦笑いになって述べた。
「それでもね」
「それでもなの?」
「何か琴乃ちゃんといるとね」
「私と?」
「そう。琴乃ちゃんといるとね」 
 どうかとだ。里香はにこりと笑って言ったのである。
「前向きになれるって感じね」
「ううんと。私よく元気がいいって言われるけれど」
「琴乃ちゃん明るいわよ」
 実際にそうだとだ。里香はその琴乃に述べる。
「お月様っていうけれどむしろ」
「お日様とか?」
「うん、そんな感じの明るさね」
 琴乃の明るさの質はだ。それになるというのだ。
「お日様みたいな」
「何かそう言ってもらえると私も」
「琴乃ちゃんも?」
「前向きになってきたかな」
 本来の彼女に戻ってきたというのだ。琴乃は明るい笑顔で里香に述べた。
「じゃあ前向きにね」
「ええ、それでね」
「部活でもこのクラスでも明るくやってね」
「そういっていきましょう」
「ええ、それがいいわね」
 こうした話をだ。二人でしてだった。
 今二人はこれからのことを考えていた。その見ているものは明るいものだった。その明るさと共にだ。彼女達の学園生活ははじまったのである。


プレリュード   完


                           2012・7・2
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