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八条学園怪異譚
第一話 湧き出てきたものその一
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わね」
「そうですか?」
「一年生で経験者は貴女の他にもう一人いるけれど」
「愛実ちゃんですか?」
「あの娘も確かに凄いわ」
 だが、だというのだ。部長の今の言葉はそうしたものだった。
「けれど林田さんはそれ以上よ」
「愛実ちゃんよりも上ですか」
「ずっとね。林田さんだったらね」
 聖花ならだ。どうなるかというのだ。
「もっと凄くなるから」
「そんな。私は」
「凄いことは確かよ。だって」
 かるたを続けながらの言葉だ。
「私にも今勝ってるじゃない」
「それはまぐれで」
「かるた、百人一首はまぐれじゃ勝てないわよ」
 実力、それが全てのものだというのだ。
「だから。林田さんはもっとやっていくといいわ」
「かるたをですか」
「そう。このままいけばかるた部のエースよ」
 それになれるというのだ。だからだというのだ。
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