暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第3話 親子のカタチ
[1/8]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 こんばんは。ギルバートです。私の目の前に警戒心バリバリの父上と、今にも泣きそうな母上がいます。しかもテーブルに着くだけで、ドキドキものでした。何故かと言うと、椅子が高かったからです。一発で、座れたのは幸運でした。本当に1歳と8カ月には、現在進行形で辛い状況です。

「さて、いろいろと聞きたい事もあるでしょうが、まずは自己紹介をしましょう」

 その言葉に父上の目がスッと細まります。そこにあるのは、歴戦の戦士が持つ威圧感。私はこんな人を説き伏せなければならないのですか? 何時ものちょっと間抜けで愛らしい父上は、一体何処へ行ってしまったのでしょうか?

「私の名は、ギルバート・アストレア・ド・ドリュアス。貴方達の息子です」

 父上は顔色を一切変えませんでした。表情もピクリともしません。しかし表情とは逆に、思いきり拳を握ったのが分かりました。母上は少しずつですが、落ち着きを取り戻して来ている様です。

「そして、もう一つの名は“マギ”と言います」

 父上は未だ無言。こちらを、ただひたすら観察しています。 

「まず誤解して欲しくないのは、私はあなた方の敵ではありません」

「それを、如何信じろと?」

 ここでやっと父上が発言しました。真直ぐにこちらの目を見ています。当然、こちらも視線を外す訳には行きません。

「まあ、そうですね。いきなり目の前に現れた正体不明の存在を、信じろと言うのは無理な話です」 

 父上と母上は無言のままです。

「しかし、今まで一緒にいた息子は信じられませんか? まあ、振り返っていただければ、不自然な点がいくらでも出てくると思いますが」

 父上の眉間に皺が寄りました。一方で母上は、完全にフラットな表情になります。

「私が此処に居るのは、1年と8か月前からです。そして目覚めたのは半年前です」

 父上の眉間の皺が深くなりました。母上は相変わらずフラットな表情です。

「1年と8カ月前に、何が有ったか説明しても良いですか?」

 父上と母上は、微動だにしません。

「1年と8カ月まえ、何が有ったか説明しても良いですか?」

 もう一度同じ事を聞きます。先に父上が頷き、しぶしぶといった感じで母上が頷きました。

「覚悟は有りますか?」

 母上の表情が引き攣ます。すぐに父上が母上の手を取り、二人は目線を合わせ頷きあいました。

(アツアツじゃないですか)

「ではまず、予備知識から説明します」

 そこで魂と輪廻について説明します。父上と母上は難しい顔をしていました。

 そして一呼吸置いてから、いよいよ本題に入ります。

 二人目の子供が、一度死んだ事。 

 魂が消滅しかけた僕と俺が出会い私になった事。

 その時、繋
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ