第14話 冥犬パスカル(1)
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「アリサちゃん、やっぱり?」
「あったり前でしょう! あんたたちが頑張るってのに、私が指くわえて見てる無いじゃない。ほらほら、放課後から早速動きだすんでしょ? それに備えて、ご飯しっかり食べないとね!」
そう言って平然と中断していた昼食を食べ始めるアリサ。それにつられて、純吾はまだ少し涙目で、なのはとすずかは苦笑して、それぞれ昼食を再開したのだった。
放課後、あらかじめリリーに帰りのバス停の近くまで来てもらい、そこから5人で分かれてジュエルシードを捜索する計画となっていたのだが、分かれる間際にひと悶着起こっていた。
「い〜〜っや! ジュンゴと一緒じゃなきゃ嫌よ!?」
「リ、リリーさん、そう言われてもこれが一番良いわけ方なんですから」
「良いわけ無いじゃない! ジュンゴと一緒にいるのが、何で私じゃなくてアサリンなのよ! すずちゃんだってジュンゴと一緒に居たいって思うでしょう? ね!?」
バス停の前でやんやんと子供が駄々をこねるように顔を振って渋っているリリーに、彼女をどう説得しようか困り顔のすずか。
そう、どうメンバーを分けるかという事で、アリサと純吾、なのはとすずかと百合子、と言う風に考えていたのだが、それを百合子が拒否してしまったのだ。
すずかの後ろでは、なのははやり込まれるだろうという事でにゃははと苦笑していた。
また一番の論客たるアリサが近づこうとすれば、キッと嫉妬交じりの視線を受けて近づく事も憚られたので、すずかがこうして説得に望んでいるのだが、結果はご覧の有様である。
すずかがうんうんと悩むのを無視して、プーッと頬を膨らませて上を向いている百合子だったが、クイクイ、と服を引っ張られるのを感じた。
「リリー……、どうしても、ダメ?」
純吾の顔が、体が小さくなって身長がどうしても足りなくなった分、どうしても上目づいになってしまう純吾の顔が、リリーの視線の先にあった。
「うっ、だって、ジュンゴと離れるのヤなんだもん…」
「ん…。ジュンゴも、リリーといたい。でも、今はなのはとすずかを守ってほしい。リリーにしか、任せられない」
「う、うぅぅ」
それを聞いてリリーが悩み始める。純吾は純粋に彼女を信頼して頼んできたのだ。その信頼に答えるか、やっぱり一緒にいるかに懊悩していると、決定打が撃ち込まれた。
「…じゃあ、終わったらジュンゴ、リリーにお礼する。それで、いい?」
「え、ぇぇえ、いいの!? お義姉ちゃん、好き放題言っちゃうわよ? ジュンゴと一緒にお風呂入りたいとか一緒に寝たいとか言っちゃうわよ、いいの!?」
さっきまでの懊悩ぶりはどこへやら。途端に態度を翻すリリー。
白磁の様な顔を紅潮させ目が
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