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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十六話 旅立ちの空
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 リョウは、約束の時間ほぼぴったりに妖精の世界へと実体化した。目の前のテーブルには、すでに二人の妖精の姿がある。

「おっす。遅くなったか?」
「いや、俺も今来たところだよ」
「あたしもよ。それじゃ、いこっか」
「お?どちらへ?」
「とりあえず、君達のその貧弱な装備をどうにかしないと」
 訪ねたリョウにリーファはあきれた様子で答えた。それにキリトが少し嬉しそうに笑う。

「それは嬉しいかな。俺も是非どうにかしたいんだ……この剣じゃどうにも頼りなくて……」
「確かになぁ……けど金……持ってんな」
「え……うわ、結構あるな」
 言いつつ自身のステータスウィンドウを開いたリョウは、自身の持ち金の多さに軽く驚愕する。どうやら有りがたい事に、此処もSAOから引き継ぎのようだった。

「どうしたの?もしかしてお金無い?」
「「いや。ある」」
「なら、さっそく武器屋行こうか」
「おう。俺もなんか新しいの買いますかねぇ」
 のんびりと背伸びをするリョウを横目に、キリトは自らの胸ポケットに話しかける。

「おい、ユイ。行くぞ」
 呼び出しに答え、長い黒髪の小妖精はキリトの胸ポケットからちょこん。と顔を出し……
大きく欠伸をした。

「ははっ。おはようさん。ユイ坊」
「ふぁ?あ、はい!……おはようございます!叔父さん!」
 しかしひとたび起きれば流石にAIらしく起動は早いようで、リョウが話しかけると直ぐに元気な声が返ってきた。三人の旅行用意が、始まった。

────

「えーと、それじゃ、こちらではどうでしょう……」
「うーん」
「ふむ……」
 リーファ行きつけだと言う武具店で、キリトとリョウはそれぞれの装備選びを続けていた。
一応、防具の方については直ぐに決まった。
キリトは、相変わらずの軽装備。防御能力が付加された上下の黒い服に、やっぱり黒のロングコート。以上である。リョウが「あいっ変わらずっつーか、いい加減変えねぇか?」と言ったら、即座に「だが断る」と返された。
 とは言え、リョウの方もそんなに対して変わらないのは事実だ。初めの内は、昔のように重金属鎧《へヴィアーマー》で固めるかどうか迷ったのだが、SAO後半の戦闘ではずっとサチ作ってもらった《翠灰の浴衣》をきていたから体を動かしやすい装備に慣れてしまっているし……と言うわけで、上下に二つのボタンが着いたシャツと、黒のジーンズ(それぞれ防御属性付加)に、オレンジ色のロングジャケット(こちらも防御能力付加)にした。

 二人が現在迷っている……と言うかしつこく要求しているのは、剣の方である。


「「もっと重い奴」」
「か、かしこまりました」
 このやり取りが、もう十五回以上は続いているのだ。すでに、キリトの腕の中の剣はだいぶ大きく。リョウ
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