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SAO─戦士達の物語
SAO編
十二話 その男、強者にて
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の麻痺ナイフで麻痺ってもらって、俺が投げ入れるだけだ。そっちが良いってんなら言え。優先的に投げ込んでやる。」
 本当はもう少しきつい処理でも良いのだが……まぁ依頼人からの命令だ。


『本当にそれでいいんだな?』
『あぁ、他人に人殺しなんかさせたく無いし。ましてや知り合いならなおさらだよ。……それにあいつらを殺しても、結局皆は戻ってこないんだ。』
『……わかった』
『はは……まいったな。よく本なんかで読む台詞だけど、その意味が今更ながらよくわかったよ……』
『そうだな……。行って来る』
『あぁ。頼む』


 ロレントとの会話を思い出しながら俺はロザリア達を見下ろす。その眼に宿るのは怯え、恐怖、墳怒、悔しさ、少しばかり嫉妬等、色々だがどれも今はどうでもいいのでクリスタルを発動することにする。

「コリドー・オープン、っと」
 掲げられた濃紺の結晶が小さな音を立てて砕け散り、の前に青い光の渦の様な物が出現する。

「畜生……」
 先程俺をオイシイ獲物呼ばわりした斧使いが、一番初めに肩を落としながら渦の中へ飛び込む。他の連中もそれに続き、ある者は悪態を突きながら、ある者は無言で渦の中へと消えていく。最後に、盗聴役のツンツン頭のグリーンも渦に入り。残りはロザリアだけなのだが……この女、未だに地面に座り込んだまま、挑戦的な視線でこちらを見上げている。随分と強気な事だ。

「……やりたきゃ、やってみなよ。グリーンのアタシに傷をつけたら、今度はあんたが──」
「んじゃ、遠慮なく」
 自信満々なロザリアの台詞を最後まで聞かずに、俺は奴の襟首を掴んでつまみあげる。

「生憎と俺はソロなんだ。一日二日オレンジになるくらいどうと言うことも無いんで」
 そう言いつつつまみあげた女を持って俺は光の渦へと近づくが、ロザリアは尚も手足を動かして抵抗する。

「ちょっと、やめて、やめてよ!許してよ!ねえ!……そ、そうだ、あんた、アタシとk「だから、うるさいから喚くなっつったろ」
 途中で遮って、未だに何か喚いていた女を渦の中に放り込む。というか、人殺しといて許してとかアホかあいつ。
そんな事を思いつつ、俺は後ろでへたり込むシリカに向き直り……頭を下げた。

「すまなかった」
「え……?」
「どんな形であれ、お前を囮として俺はあいつらをおびき寄せた。お前を危険な目に会わせた事や、怖がらせた事、本当に申し訳なく思ってる。すまん!」
 頭を下げ続ける俺に、シリカはぶんぶんと結構な速さで首を横に振っている。

「お詫びって言ったらなんだが、街までの安全は俺が保証しよう。」
 頭を上げてそう言い歩き出そうとするが、何時までたってもシリカが立ちあがる気配がないので心配になる。

「どした?歩けないか?」
「あ──足が動かな
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