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SAO─戦士達の物語
SAO編
十二話 その男、強者にて
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でたらしこまれちゃったの?」
 昨日も受けた侮辱に、シリカは視界が赤くなるほどの憤りを覚える。腰の短剣を抜こうと腕を動かした所でシリカの前にリョウの右手が掲げられた。止めろ、と言うのだろう。
そしてまるで友人と話す様なあっけらかんとした声で、リョウは口を開く。

「馬鹿とは失敬だな。それに、年下の子供に手ぇ出すほど餓えてねぇわ」
 何となく失礼な事を言われた様な気もしたのだが、気のせいだろうと直ぐに思い直した。

「単純でくだらねぇ話さ。俺もあんた等を探してたって、そんだけ」
「──どういう事かしら?」
 そこからは、リョウに驚かされる番だった。
ロザリア達に襲われ、リーダー以外が皆殺しにされたギルドの話。そのリーダーに依頼され、リョウもロザリア達を探していた話。そして……

「リーダーだった奴はな?まぁ別に俺はどっちでも良いんだが、別にお前らを殺せって言ったわけじゃねぇ。牢獄《ジェイル》にぶち込みゃそれでいいそうだ。はてさてどんな心境だったやらって、思わねぇ?」
「知らないわよ」
 面倒そうに、自分のした事を毛ほども後悔などしていないといった風に答えたロザリアにリョウは「だろうな……」とため息をついた。

「何よ、馬鹿みたいね正義派ぶって。ここで人を殺したってほんとにその人が死ぬ根拠無いし。そんなんで現実に戻った時罪になるわけないわよ。だいたい戻れるかどうかも解んないのにさ、正義とか法律とか、笑っちゃうわよね。あたしそうゆう奴が一番嫌い。この世界に妙な理屈持ち込む連中がね」
「いや、まぁアンタが何を好きとか嫌いとか、俺にはそんなんどうでも良いけどな」
 この言い分を聞いていて、まさにリョウの言ったとおりだとシリカには思えた。法が無く、罪にならないからと言ってこういう事をする。
罪になるならない以前の問題なのだと倫理すら、彼らには通用しないのだ。

そんな事を感じていると、再びロザリアの眼が凶暴な光を帯び始める。

「あっそ……で?あんたその死に損ないの言う事真に受けて、アタシらを探してたわけだ。ヒマな人だねー。ま、あんたのまいた餌にまんまと釣られちゃったのは認めるけど……でもさぁ、たった二人でどうにかなるとでも思ってんの……?」
 言葉の意味をシリカが理解するよりも早く、ロザリアは唇に笑みを浮かべながら、右手を掲げて素早く二度宙を仰ぐ。
途端に向こう岸の両脇の木立が激しく揺れ、茂みの中から次々に人影が現れた。シリカの視界に連続して複数のカーソルが表示される、そのほとんどは紛れも無いオレンジ色だ。

その数は──十

 リョウが待ち伏せに気がつかなれば確実に向こう岸で囲まれていただろう。
その十人のうち、ただ一人のグリーンの男は、昨晩シリカ達の部屋を盗み聞きしていた男の逃げ去る後ろ姿と同じ。針山の様
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