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SAO─戦士達の物語
SAO編
九話 歩み始めた二人
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ろキリトとキリトの妹が一度大喧嘩した時に、妹の方を慰めるのにやった動作とそっくりだった事には、後で気が付いた。

「俺だって協力するんだ、必ず生き返らせられる。これでも、腕っ節には自信あるんだぜ?」
「リョウさん…………はいっ!」
「よろしい。」
涙をぬぐって微笑むシリカに、俺もいつの間にか笑顔を向けていた

 しばらく歩くと、右側に大きな宿が見えて来た。恐らくシリカの泊まる宿だろう。「風見鶏亭」か。
すると、シリカがふと気がついたように。
「そういえばリョウさん、今日はどちらに?」
「ん?ああ、いちいち家帰んの面倒だし、この階層に泊まろうと思ってるが?」
「そうですか!」
何故にこんなうれしそうなのかね?この子は。
まあ、笑ってるからいいけど。

「ここのチーズケーキが結構いけるんですよ」
……ほほう?

「言っとくが、俺は甘いものにはちょーっとうるさいそ?」
「……へ?甘いものがお好きなんですか?」
「うむ、……意外か?」
「い、いえ、そうじゃないですけど……」
「無理すんな、顔に出てるぞ。」
「……すみません、意外でした。」
「よく言われるから気にするな……」
 実際、俺がスイーツ好きだと知られると殆ど毎回意外そうな顔されるんだよな。

 良いじゃないか、好きな物は好きなんだよ。甘いものは男女平等に与えられるべきだと俺は思うのさ!

「でも、此処のは本当に美味しいんですよ?」
「自信満々だな。よし、もし俺の舌を満足させられるものが出てきたら、褒美にアインクラッドの旨い菓子屋を紹介してあげよう。ついでに奢ってやってもいい。」
「本当ですか!?」
「俺は必要ない嘘はつかないぞ?ま、あくまで満足させられたら、だがな?」
「むむ……頑張ります!!」
ケーキは規定の物が出てくるはずだからお前が何かを頑張れるわけではないんだがな、まあいいか。


────

 ケーキの話題で盛り上がりながらシリカが俺を引っ張る様な形で宿に近づくと、宿の隣にある道具屋から、五、六人の集団がぞろぞろと出て来た。今日、シリカと行動を共にしていたパーティだ。
 殆どのメンバーはこちらには気が付かなかったようで、何事も無く通り過ぎたが、唯一最後尾にいた槍使いの女。ロザリアがこちらをちらりと見、とたんにシリカが顔を伏せた。
が、気が付かれたようで目敏く寄って来た。
俺を引っ張り、無視してシリカは宿に入ろうとするが……

「あらぁ?シリカじゃない」
 声をかけられると、立ち止った。
何か言うべきか迷った。が、まだロザリアと俺には接点が無いし、此処で話に割り込むのは不自然だろうと思い、自重する。

「……どうも」
「へぇーえ、森から脱出できたんだ。よかったわね」
そう言ってロザリアは口の端を歪める
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