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SAO─戦士達の物語
SAO編
八話 青年の苦手な物
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くれ!」
「え……?」
後半が本音なのは認めるが、前半も決して口からでまかせでは無い。
キョトンとした顔の少女を尻目に俺は必死に思考を巡らせる。確か最近どこかで……

『思い出せ、思い出せ思い出せ……早く思い出さないと精神的に俺がきつい……』
心、心、心……
考えている内に、俺の頭の中に三週間ほど前に俺の行きつけの店で義弟とした会話が思い出される。

『そう言えば最近47層で──』
『──へぇ、でも俺使い魔居ないし関係な──』

 我が義弟に感謝だ。今度茶でも奢るとしよう。

「もしかしたらその使い魔、蘇生できるかも知れんぞ。」
「え!?」
 キョトンとした顔が、今度はぽかんとした顔に変わる。口が半開きだぞ少女よ。

「俺も最近聞いた話なんだがな、47層にある《思い出の丘》って所に咲く《プネウマの花》ってのが、何でも使い魔蘇生用のアイテムらs」
「ほ、ほんとですか!?」
 最後まで言わせろよ。
まぁしかし、先程までと違って彼女の顔には光が灯っていた。良い兆候だ、泣いて無いし。

駄菓子菓子(だがしかし)
「……47層……」
 またしても少女は落ち込む。まぁ、この層(35層)であの戦闘内容なら当然だろう。
正直な話、とても一人で47層を突破できるとは思えない。
というか、また泣きそうになってる。あぁもう……

「あーっと……報酬さえもらえりゃ俺が行ってくるが、本人が行かんとその花が咲かんそうなんだよな。」
 これも事実である。そして問題はもう一つ。

「いえ……情報だけでも十分です。いつかは、きっとそこまで……」
「あーすまん、あまり言いたくないんだが、そう都合よくも行かないんだよ。」
 この上更に追い打ちをかけるような事を言うのは非常に心苦しいんだが、言わずに頑張らせたら事実を知った時に自殺でもしかねん。

「蘇生にはタイムリミットがあるらしくてな、3日以内に蘇生を行わないと、「心」が「形見」に変化して二度と蘇生できなくなるそうなんだよ。」
「そ、そんな……!」
 まぁ、さっきも言ったように35層であの内容なのだ。恐らくこの子のレベルはせいぜい47層では適正レベル(階層数と同じ数字のレベル)かそれ以下。間違っても安全レベル(階層数に+10レベル程度)ではないだろう

「う、く……」
分かってはいたが、やはり絶望させてしまったらしい。
目の前の少女は、地面に落ちていた水色の羽を両手で胸に抱くようにしてうつむき、肩を震わせながらまた、泣きそうになっている。

「……っ」
 泣いている少女の姿が、何かと……。

 いや、俺には関係ない。分かってる。このままこの子が希望を無くそうが勝手だし、最悪自殺したって俺には全く実害は無い。

 むしろ、俺は感謝されるべきだ。それが
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