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SAO─戦士達の物語
SAO編
七話 迷いの森と小さな勇者
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。あなたとはもう絶対に組まない、あたしをほしいっていうパーティーは他にも山ほどあるんですからね!

『なっ!?』
 しかし子供と言うのは怖いもので。癇癪を起した竜使いの少女は、一人で森の中へと走って行ってしまった。
リーダーの剣士も止めはしていたが、聞く耳持たずだ。
というか……

『あれはまずいだろ!?』
 此処、迷いの森は、この時間だと薄暗く、背の高い木々鬱蒼と茂った不気味な雰囲気の森である。
同時に名前に違わず、碁盤の目のように分かれた”数百”のエリアが一つのエリアに踏み込んでから一分周期で東西南北の連結をランダムで入れ替えると言うえげつない仕様のダンジョンでもあるのだ。
それゆえ一度迷ったら、出てくるためには森を一直線に走り抜けるか、街で売っている高額な地図を見るしかない。

 が、先程まで見ていた限り、彼女が地図を持っている様子はなかった。
そして、駆け抜けるのは恐らく不可能。

 薄暗い中で、曲がりくねり、所々木の根や枝が突きだしたりしている森の小道を全速力で駆け抜けるのがどれだけ難しいかは読者諸君の想像に任せるしかないが、とりあえず慣れていない者は五分に一回くらいのペースで強制的に足を止めざるを得なくなる。とだけ明記しておく。
ということはまぁ単純な話、出られなくなってモンスターに消耗させられ、いずれ力尽きるだろう。というわけだ。

 どうするか、一瞬迷った。

 依頼だけを達成しようとするのなら、此処で少女を追いかけていくメリットはない。
自力で抜け出すかもしれないし、あの子が死んだ所で自分には何の不利益も生じないのだから。
だが、殺された人間のために行動しているとも言える状況の今、これから殺されるかもしれない少女を見捨てる事ははたしてどうなのだろう?

『本末転倒だわな』
答えは決まった。

そして冒頭へと戻る。

「くそっ、こうもしょっちゅう移動されるんじゃきりが無い!」
 一応あのパーティのメンバーには全員策敵スキルから派生するマップ追跡をかけていたので、あの少女が今どこにいるのかはマップ上に表示されるが、彼女も移動している上に、その移動先がランダムなので、引っ切り無しに向かうべき方向、距離が変化してしまう。

 特に前半はひどく、相手も森の中を走るもんだから、レベル的にいくら勝っていても追いくのは不可能に近かった。
ようやく数十分前から歩き始めてくれたのだが……結果だけ言うと、リョウは未だに少女に追いつけていなかった。

「またかっ!」
 再び別エリアへ移動した反応を見てリョウは髪グシャグシャと掻きながらリョウは荒い声を出す。
しかも移動した先はまた無茶苦茶に遠い位置だ。幾らこの世界では体力的に疲れにくいとはいっても、こうもずっとだと精神的に疲れてくる。
何し
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