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魔法使いへ到る道
Prelude
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俺は死んだ。スイーツ(笑)
 ………いやいやいや、違う違う違う。こんなしょうもないボケをする為だけに死んだんじゃない。いやできる事なら死にたくは無かったけど。
 ともかく、俺は一度死に、そして転生したんだ。生まれ変わったと言ってもいい。生前の記憶を持ったまま子どもになったのだ。
 最初はそりゃ驚いたさ。気がついたら体が縮んでるんだもの。4869のお薬を飲まされたのかと必死に記憶を探ったものだ。すぐに死んだことを思い出したけど。
 あれは…そう、寒風が吹き始めた秋の夕暮れだった。俺は些細な行き違いから大喧嘩をしてしまった彼女を慌てて追いかけていたところだった。
 彼女とは友人からの紹介で知り合った。友人の友人の友人らしい。本人の名誉のために言っておくが決して悪い子でもイヤな奴でもない。一人か二人密かに思いを寄せている男がいるかもというくらいにはいい子だった。
 俺は別に好きじゃなかった。嫌いというわけでもなかった。が、友人からの強い勧めで付き合うことになった。そろそろ彼女いない暦=年齢というのを卒業したかったのもある。向こうも似たような理由らしい。そうまでして俺たちをくっつけたかったのかね。
 そんなこんなで付き合うことになった俺たちだったが、まあ成り行きで付き合っている以上そんな甘い展開になったりするはずも無く、清く正しい男女交際を続けていた。
 そして何度目かのデートの時、喧嘩し憤った彼女が背を向けて歩き去った。我に返った俺は彼女を追いかけた。
 その時だった。横断歩道を渡りかけている俺の元へ、一切減速する様子の見られない一台の乗用車が向かってきたのは。フロントガラスの向こうのドライバーは居眠りをしていた。
 空白になる思考。突然の事に体は動かず、ただ呆然と迫りくる鉄の塊を見ていた。
 そして――俺は咄嗟の判断で大きく横に飛び地面を転がった。
 ゴロゴロと転がりながらも、なんとか衝突を回避できたことを喜んだ。
 ―――転がった先にあった蓋の開いたマンホールに落ちるまでは。
 ……いや、さ。事前に知ってはいたんだよ?蓋が開いてるの。ちゃんと看板もあったし、バリケードも作ってあった。
 でも、さっき言ったじゃん。頭が真っ白になったって。おまけに転がってたせいでバリケードの下潜り抜けちゃったし。
 そうしてそのまま暗い穴の中を落下。よく覚えてないけどそのままグチャ。気がついたら子どもになっていた。
 ………全く意味がわからん。みんなもそう思うよね?
 ただまあ、不幸中の幸いというべきなのは、以前の記憶が蘇ったのがこの体が五歳のときだったということだね。授乳とかオムツとかなにその羞恥プレイ。味わいたくねー。
 不思議なことに両親は以前と変わらなかった。見飽きるほどに見てきた俺の父さんと母さんの顔。二人の名前も、俺の名前も変わっ
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